アパート経営のノウハウ

不動産投資は小さく始めてコツを掴む

2022.12.15

 長期間にわたって安定的な収入を得られることが、アパート経営など実物不動産投資のメリットです。毎月の家賃収入以外に、不動産という現物の資産が手に入るのも魅力。ただ最初にまとまった資金が必要なのも事実であり、「最初から大きな金額を投資するのが不安」「自己資金が少ないから始められない」という人もいることでしょう。今回の記事ではそうした方でも、少額から始められる不動産投資の方法を紹介します。たとえ自己資金が少なくても、不動産投資は早い段階から始めるほどリスクが少なく、リターンも多くなるため有利です。

実物不動産投資への準備期間として

 「十分な自己資金が貯まったら不動産投資を始めよう」。そう考える人は少なくありません。しかし、毎月の給与を貯めているだけでは、なかなか目標金額に到達できません。長い年月を要しているうちに、好機を逃してしまう可能性もあります。

 とはいえ、いきなり全財産を投資したり、長期ローンを組んだりするのは勇気がいることです。それなら、まずは実生活への影響が少ない金額から不動産投資を始めてみてはいかがでしょうか?たとえ少ない自己資金であっても「複利効果」や「レバレッジ効果」を利用することで最終的に大きな収益へとつなげることが可能です。また、将来的に実物不動産投資を行う際の知識や経験の習得にも役立ちます。気軽に始められる不動産投資には次のようなものがあります。

一口一万円から出資できる不動産投資も

【REIT(リート)】

 REIT(リート:Real Estate Investment Trust)は「不動産投資信託」とも呼ばれ、金融投資に近い特性をもつ不動産投資方法のひとつです。その仕組みは、投資家から集めた資金を専門家が複数の不動産銘柄に投資・運用し、その収益を投資家に分配するもの。不動産投資のプロが銘柄を選択してくれるため、投資家の時間的制約が少なく、投資経験の浅い人でも気軽に挑戦できます。複数の銘柄を組み合わせた投資が可能なため、リスク分散できるのもメリットのひとつです。

 不動産投資でありながら、投資家が取得するのは物件そのものでなく証券であり、株式などの金融投資と同様に高い流動性を持っている(売りたいときにすぐ売れる)ことこそ、最大の特徴と言えるでしょう。投資で得られた収益を原資にプラスし、さらに運用することで大きな複利効果が生まれます。初心者にとって最も手軽で安定的、かつ複利効果によって高い収益性も狙える不動産投資方法です。

参考:注目集める「REIT」今さら聞けない基本を知る

【不動産小口化商品】

 アパートなどを丸ごと一棟購入する資金力がない、物件の管理・運営などの業務を行う時間がない……といった場合には、不動産小口化商品に投資するという選択肢があります。不動産小口化商品とは、ひとつの不動産に対して複数人が出資する投資スタイルのこと。家賃などの収益は投資額(口数)に応じて出資者に分配されます。

 物件の管理業務などは事業者が行なってくれるため、投資家は手間がかかりません。複数人で分割出資することにより、自己資金が少なくても利回りに優れた高額物件に投資できることが大きなメリットです。不動産小口化商品は契約内容によって「匿名組合型」「任意組合型」「賃貸型」の3タイプに分けられ、「匿名組合型」の場合、不動産の所有権は事業者に、「任意組合型」「賃貸型」の場合、所有権が投資家に帰属します。ただし、「賃貸型」は事業者への賃貸によって収益を得る方式であり、物件を売却することができません。

 複数の投資家から集めた資金を不動産に出資し、収益を投資家に分配するという点では前述のREITと同様ですが、REITが投資物件の選択をプロに任せているのに対して、不動産小口化商品では投資家自身が物件を選びます。また「任意組合型」の場合は、物件の所有権が手に入り、インカムゲインだけでなくキャピタルゲインにも期待できる……つまり、一棟所有の実物不動産投資に限りなく近い不動産投資スタイルと言うことができます。

参考:少額で不動産投資が可能な「不動産小口化商品」とは?

【不動産投資型クラウドファンディング】

 起案者が叶えたい夢やプロジェクトの支援者を募集し、インターネットを活用して資金を集めるクラウドファンディング。アイデアはあるけれど製品化する資金力がない、といったケースで用いられるようになった資金調達方法ですが、最近では不動産投資でもクラウドファンディングが利用できるようになりました。

 ファンド実施事業者は集まった資金を元に不動産を運用し、その収益を投資してくれた人たちに分配します。投資対象を投資家自身が選択でき、複数の投資家によって出資する……という点では「不動産小口化商品」と同じですが、一般的に不動産クラウドファンディングの方が一口の出資金額が低く設定されており、より手軽に投資することが可能。不動産の所有権はあくまで事業者側にありますが、契約内容によってインカムゲインでなくキャピタルゲインが投資家に分配されるタイプのファンドもあります。

 物件の立地や周辺環境、入居状況といった情報が詳細に公開されることも、不動産投資型クラウドファンディングにおける特徴のひとつ。ファンドを達成するには、情報の透明性を高めることが不可欠であるためです。インターネット時代の新しい不動産投資スタイルと言えるでしょう。

参考:不動産投資が身近になる「不動産投資型クラウドファンディング」最新事情

【中古物件投資】

 出資金額を抑えるためには、新築でなく中古で賃貸物件を購入する、という手もあります。新築物件への投資は「賃貸需要の高い地域の立地を選べる」「地域の需要に適性化した建物にできる」などの点で有利ですが、中古物件にもそれなりのメリットが存在します。

 最大のメリットは少ない初期投資額で始められること。金融機関からの融資を受ける際にも融資額を低く抑えられます。また、物件への入居状況など実績が明らかになっており、投資判断しやすいこと、立地や建物の設計などを考える手間が不要なこともメリットと言えるでしょう。

 ただし、築年数の古い物件では設備の維持費や修繕費などに多額の費用がかかり、実際の利回りが悪化しているケースもあるので注意が必要です。また残された法定耐用年数が短い、もしくは耐用年数を超えていると、減価償却費を少額しか計上できず、税務上不利になってしまうこともあります。

参考:新築物件と中古物件、それぞれの強みと弱みは?

実物不動産投資への移行は早めが吉

 ハードルが高いように思える不動産投資ですが、上記のように比較的小さなリスク、少ない出資金額で始められる投資商品も数多くあります。まずはこうした不動産投資から始め、経験と知識、資金を貯めてからアパート一棟などの実物不動産投資に挑戦するのは賢明な判断でしょう。

 しかし、新築物件への実物不動産投資でも金融機関からの融資を活用すれば自己資金が少なくてもスタートすることができます。そのタイミングは早いに越したことはありません。シノケンでは不動産投資が初めて、という方も気軽に参加でき、着実な知識が身に付くセミナーを随時開催しています。また専門的な知識や経験が求められる不動産登記、立地選定、建物の設計、物件の維持管理といった業務についても、オーナーを強力にサポートいたします。

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最終更新日:2022.12.15

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