世界が注目! ブランド力急上昇の“モノづくりのまち”東大阪市

2018.05.31

 大阪府大阪市。言わずと知れた大阪府の府庁所在地であり、日本有数の経済都市です。隣接する堺市と共に、大企業の本社が集中するエリアとしても有名ですね。ですが大阪市の隣に位置する東大阪市も、大阪府を語る上で欠かすことのできない中核都市の一つです。

 政令指定都市でもある大阪市や堺市の影に隠れがちですが、東大阪市は技術力の高い中小企業が多く集まる「モノづくりのまち」。町工場の奮闘を描いた人気ドラマ『下町ロケット』では、東大阪市内の工場で製造された製品が撮影に使用され、話題を呼びました。市役所ではドラマの企画展示も行われ、市のブランド力向上に一躍買ったそうです。

 2019年には市内でラグビーワールドカップが開催されることもあり、今最も活気づいているエリアの一つである東大阪市。その魅力に迫ります。

高い技術力を持った中小企業が集まる東大阪市

 2018年4月1日現在、東大阪市の人口は49万6,720人(大阪府HP「大阪府の毎月推計人口」(月報)より)。これは大阪市、堺市に続いて第3位の数字です。また東洋経済『都市データパック』2017年版によれば、大阪市に本社を置く上場企業は362社、東大阪市は7社。これだけ見るとずいぶん差が開いているように感じるかもしれませんが、全国的には大阪市が第2位、東大阪市も814市区中54位と、東大阪市も健闘していることが分かります。東大阪市に本社を置くハウス食品は、全国的に知られる有名企業ですよね。

 さらに『都市データパック』で東大阪市のデータを見てみると、未上場の有力企業本社数は21社で全国32位、事業所数は25,896事業所で29位。従業者数も241,163人で37位という数字からも、東大阪市に多くの企業やそこで働く人々が集まっていることが分かります。

 それだけではありません。東大阪市は(事業所数4,000以上の主要都市における)可住地1平方キロメートル当たりの製造業事業所数で日本一を誇ります。「モノづくりのまち」というキャッチコピーは伊達ではないのです。

 また、2009年1月には東大阪市の中小企業を中心に設立された「東大阪宇宙開発協同組合(現・宇宙開発協同組合SOHLA)」が宇宙航空研究開発機構(JAXA)等と連携して小型人口衛星「まいど1号」を作り上げ、打ち上げに成功しています。東大阪市に高度な技術力を持つ中小企業が多数集積している証拠と言えるでしょう。

高い技術力を持つ中小企業が集まる「モノづくりのまち」、東大阪市(画像はイメージです)

大阪市内や東京へのアクセスも良好、若い世代も住みやすい街

 東大阪市内に集まる優秀な「モノづくり」をする企業への通勤はもちろん、隣接する大阪市やそれ以外の地域へ向かうための交通網が発達している点も、東大阪市の魅力の一つです。

 市内には25箇所もの駅がありますが、特に多くの人々に利用されているのが布施駅です。ここから高速リムジンバスに乗ることもできるので、近隣自治体や関西国際空港はもちろん、出張等で東京や京都に向かう際にも便利です。

 さらに2019年3月ごろにはJRおおさか東線が新大阪駅まで延伸、2029年には豊中市から門真市を結ぶモノレールが東大阪市瓜生堂までの南伸も予定されています。ますます市内外への行き来が便利になりそうですね。

 また、東大阪市は都市部でありながら、大阪市や堺市内に比べると物価や家賃が控えめな傾向にあります。物価の安さやアクセスの良さに加え、全国でもトップクラスの蔵書数を誇る大阪府立中央図書館が存在することは、市内の大学(大阪樟蔭女子大学、大阪商業大学、近畿大学、東大阪大学)に通う学生だけでなく、近隣自治体の学校に通う学生達にとっても大きなメリットでしょう。学生の賃貸需要があるかどうかは、不動産投資を考える際に見逃せないポイントの一つです。

 若い世代の暮らしやすさという面では、府下最高額の妊婦健康診査費用を助成(14回12万円分)していること等の、市内での出産・子育てを支援する制度が整っている点も評価できるポイントでしょう。

世界大会に向けて魅力を発信、ラグビーとモノづくりのまち

 東大阪市は「モノづくりのまち」としての顔だけでなく、ラグビーファンの「聖地」花園を有する「ラグビーのまち」としての一面も持ち合わせています。冒頭でも触れましたが、今は2019年9月20日より開幕するラグビーワールドカップを控え、会場となる花園ラグビー場や東大阪市を世界に発信していくための様々な取り組みが行われています。

 2017年からは東大阪市と東大阪商工会議所、近畿大学(大阪府東大阪市)が協力して「東大阪市都市ブランド形成推進事業」を開始。国内外から多くの関心が寄せられるラグビーワールドカップに向けて、「モノづくりのまち東大阪」という都市ブランドの確立や海外への発信を目指し、都市ブランディングに向けた施策を推進しています。

 日本にいると、野球やサッカーのように身近なスポーツという印象は持ちづらいかもしれませんが、ラグビーは世界的な人気スポーツ。そしてその世界大会であるラグビーワールドカップの舞台となる東大阪市も、世界中から注目が集まっているのです。

 実際に足を運んでみると最寄りの東花園駅から東大阪市花園ラグビー場までの道のりはラグビー用品専門店が並びます。正面入り口付近にある和菓子屋「絹屋」のラグビーボール型に焼き上げられた「花ラグ饅頭」は名物として知られています。

 周辺はマンションの開発だけでなく、ラグビーワールドカップの宿泊需要を見込み、ホテルなども開業されてきています。

世界中から注目される、4年に1度のラグビーワールドカップ(画像はイメージです)

 近年ではどうしても2020年の東京オリンピックばかりに目を向けてしまいますが、ラグビーワールドカップや、それに伴う東大阪市の施策からも目が離せません。

 こちらの記事でも取り上げましたが、大阪市は米不動産情報大手のジョーンズラングラサール(JLL)の2018年都市比較インデックスレポート内で「不動産市場透明度を大きく向上させ、不動産投資額においても世界の上位にランクされる都市グループ」とされる「国内成長エンジン」に分類されており、世界的に高く評価されています。そんな大都市大阪市に隣接し、世界へ向けて積極的に魅力を発信している東大阪市もまた、投資先として充分魅力的な都市と言えるでしょう。

 不動産投資を行う上で最重要とも言える立地の良さや市内外へのアクセスの良さは、大きなイベントが終わった後も損なわれるものではありません。関西エリアでの不動産投資を考える際は、東大阪市も候補に加えてみてはいかがでしょうか。

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最終更新日:2018.05.31

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