
やっぱり需要は23区。注目エリア、中野区でコンパクトに暮らす
新宿まで5分、池袋まで15分、東京まで18分。JR中央線と総武線、東京メトロ東西線が通り、都心部へのアクセスの良さで、居住地として安定的な人気を誇っているのが中野区です。鉄道だけでなく、バスの路線も都心方面はもとより、吉祥寺行きなど多方面に充実しています。
新宿区、渋谷区、豊島区といった大都市に隣接し、移動の便も良い中野区には、飲料メーカーのキリンホールディングス、映画制作の東映アニメーション、通信機器の日本無線、フィットネスクラブのメガロス、漫画専門古書店のまんだらけなど、業種を問わず大手企業が多数本社を構えています。
さらに明治大学、帝京平成大学、東京工芸大学のキャンパスや早稲田大学中野国際コミュニティプラザ等の教育機関も多く、若いエネルギーがあふれている都市です。
この中野区が今、改めて注目を集めています。その秘密は立地の良さと利便性の高さのほかに、“中野区ならではの特性”に隠されているようです。
全国3位のコンパクトシティ、再開発でさらに活性化
中野区は人口32万8,683人 、世帯数20万1,754世帯、1世帯あたり1.63人の都市です(平成30年1月1日時点。東京都総務局統計部「住民基本台帳による東京都の世帯と人口(町丁別・年齢別)」より)。特筆すべきは人口密度で、1平方キロメートルにつき2万1,083人という数字は全国の市区町村で最大の豊島区、荒川区に次いで、23区内では3番目に高くなっています。

限られた土地に多くの人が住んでいるため、鉄道路線に沿うように高層マンションが立ち並んでいるのも中野区の特徴です。中野区には戦後から急激に人口が増え、街の整備が追いつかないまま発展した過去があります。そのため以前は、街の規模に比べて道幅が極端に狭いなど、ゴミゴミとした印象もありました。しかし近年は再開発が進み、再び脚光を浴びているのです。
その一つが、区を挙げて再開発を行なった中野駅北口の「中野四季の都市(まち)」です。旧警察大学校跡地を活用して緑豊かな「中野四季の森公園」を中心に、北側に公立中学校、東側に区役所やサンプラザなどの行政機関、南側にJR中野駅と商業施設、西側に明治・帝京平成・早稲田大学と、街がコンパクトにデザインされています。
近年、再開発と言えば、いかに企業を誘致するのか、オフィス街を整備するのかということに目が向けられがちですが、中野区では徹底的に“住む人目線”、学術施設やアニメ、漫画など“文化の発展”に力を入れているのがポイントです。再開発では街の整備に加えて、歩行者や自転車を守り、公共交通機関の利便性を高めるルールの策定や取り組みを積極的に行なっています。
こうした区を挙げての取り組みが実を結んだのか、SUUMO「住みたい街ランキング2017 関東編」では、100位中総合18位にランクインしました。一つ上位の17位が人気の北千住ということを考えると、中野区も“穴場”として評価が高まっているということではないでしょうか? 最近では都心に住むという流れが活発になっていることもあり、今後ますます中野区の需要は高まっていくと考えられています。
エネルギッシュな若い単身世帯のニーズに応える
さらなる成長が見込まれる中野区ですが、投資対象としての魅力はあるのでしょうか? 結論から言うと、“魅力あり”と言えそうです。
その理由は、中野区が「若者の街」であること。このことは、“人口が増えそうな所、成長していきそうな所に行なう”という投資の原則を満たしています。冒頭で述べたように、中野区には大手企業や大学などが多くあり、若い単身世代がたくさん住んでいると考えられます。
実際、中野区に最も多く住んでいるのは30〜34歳で3万1,385人、次が25〜29歳の3万1,270人、3番目が35〜39歳の2万8,692人と、20〜30代で全人口の34.6%を占める年齢別の人口構成データからも明らかです。また、一世帯あたりの構成人数も平均1.63人と、1.62人で最も少ない豊島区に肉薄しています(いずれも平成30年1月1日時点。東京都総務局統計部「住民基本台帳による東京都の世帯と人口(町丁別・年齢別)」より)。

もう一つ、昼間人口の31万3,270人に対して夜間人口が32万8,215人と多く、“他区へ通学や通勤しても、住むのは中野”という実態をうかがい知ることができます。
このように若くて単身世帯が多く、区が主導して個人の利便性が高い街づくりを行なっていることなどを総合すると、中野区では単身向けで駅周辺のコンパクトなマンションに需要がありそうです。駅近エリアでは狭小でもスペースを上手く使った便利な物件のニーズが高まっていますが、シノケンでも都市型ロフト付アパート、AVAND(アヴァンド)を展開しています。
都心回帰傾向が強まる中、都心へのアクセスも良く、住環境の優れた中野区には不動産投資先としての期待も大きいです。街の再開発と合わせて、今後も注目していきたいですね。