
賃貸でも進むスマート化、IoTで高まるセキュリティ需要に応える
国立社会保障・人口問題研究所が2018年1月に発表した「日本の世帯数の将来推計(全国推計)」によると、2017年の単身世帯は約35%に上ります。
特に東京は単身世帯の割合が高く、国税調査では賃貸に住む10世帯のうち7世帯が単身という結果が明らかになりました。
1人暮らしで気になるのはやはり、安全性や防犯面ではないでしょうか。物騒な事件や独居老人の孤独死問題などもあり、「住まいの安全」へのニーズは高まるばかりです。
そうした背景から、賃貸でもスマートロック等、最新の「IoT(アイオーティー)技術」を取り入れた物件が登場し、人気を集めています。
セキュリティ需要の高まりで注目されるIoT物件
IoTとは「Internet of Things」の略で、「モノのインターネット」などと訳されています。言葉だけではイメージしにくいかもしれませんが、ICカードでドリンクを購入できる自動販売機や、QRコードを読み取ることで到着時刻を確認できるバス停留所も、IoT技術を活かした例です。
車やドローンの自動運転などにもIoT技術が取り入れられていますが、最もIoT技術を身近に感じられるのが、住まいではないでしょうか?
例えば、スマートフォンやICカードで鍵の開け閉めができるスマートロック、細かな調節や遠隔操作が可能な照明、冷暖房設備、お掃除ロボットなどのスマート家電は、導入する家庭も徐々に増えてきています。
IoT技術を活用した家を、「IoT物件」、「スマートハウス」と呼びますが、スマートハウスが注目されている理由は、やはりセキュリティの高さです。
スマートロックは、一般的なシリンダーキーのように複製が簡単ではありません。ドアや窓が不正に解錠される、不審者が侵入するなどした場合は、警告音を鳴らしたり、居住者にメールが届くように設定することもできます。
照明を帰宅前につけておけば、帰宅時の不安を軽減できることに加え、帰宅と点灯のタイミングをずらすことで外部から部屋の特定をされにくくするといった使い方も可能です。ストーカーなどの犯罪が社会問題となる中、スマートハウスは住む人の安全・安心を守る家として人気を集めています。
室温や湿度を自動でコントロールして体調管理に役立てたり、起床時間に合わせてスピーカーから好きな音楽を流すこともできるスマートハウスは、生活の質を向上させるという点でも魅力的です。
また、時間になるとエサや水を与えてくれるペット用のスマート家電やスマートフォンでペットの様子を確認できるモニターシステムは、ペット愛好家からの関心も集めています。
スマートハウスは、より安全・安心・快適に過ごしたいという居住者のニーズを満たすだけでなく、1人暮らしを始める女性や高齢者の家族にも喜ばれています。
これほど魅力がありながら大規模な工事が不要で、既存物件にも比較的容易かつ安価に導入できるスマートハウスは、物件価値を上げるツールとして物件オーナーの間でも今後注目を浴びていきそうです。
さらに物件の差別化だけでなく、事故やトラブルを未然に防ぎ、長期的な物件価値の維持にもつながるという点で、スマート化は有効な投資になると言えるでしょう。
IoT×ブロックチェーン 最新技術で安心・便利・高い収益性を
スマートハウスが話題になっているとはいえ、何でもスマート化すれば良いという話ではありません。常に変化するニーズに、いかに対応できるかが大切です。
シノケンでは、約30年に及ぶ不動産販売管理事業で得られたノウハウや知見と、最新技術とを組み合わせた「Shinoken Smart Apartment」というサービスを提供しています。
手の平サイズほどの IoT デバイス「Shinoken Smart Kit」の設置と、スマートフォンへの専⽤アプリのダウンロードだけで、物件のスマートハウス化が可能です。1部屋単位での導入もできるので、まずは空室に導入してみるのも良いのではないでしょうか。

実はシノケンがスマートアパートを始めたのは、「IoT」という言葉が一般的に知られるようになる随分前の2003年にまでさかのぼります。当時から、住まいの異常を感知したら入居者様にメールで知らせたり、状況に応じて警備会社に通報するといったシステムを導入していました。
15年に渡るIoTを使ったセキュリティ向上への取り組みに加え、IoTと分散型ネットワーク「ブロックチェーン技術」を併せた新たなサービスも開発中です。
新サービスでは空室物件を利用した民泊事業に、IoTとブロックチェーン技術を活用することで、利用者様に高い安全性や利便性と快適な空間を提供していきます。それにより、物件オーナー様にはより高い収益を得ていただけるような仕組みを整えてまいります。
人口減少が進む中、今後の不動産投資では、立地の良さに加えて時流に乗ることも大切です。特に今後は、単身世帯の増加やセキュリティ需要の高まりといったニーズに柔軟に対応することが、不動産投資の世界を生き抜くコツになっていくのではないでしょうか。