
ビジネス街へのアクセス良好。インド人にも好かれる江戸川区|データで見る都市
東京の最東端、江戸川区。れっきとした東京23区の一員ですが、人によっては港区や文京区のような「洗練された都会」というイメージよりは、「東京の下町」といった印象を持たれるかもしれませんね。
ですが江戸川区は、ビジネス街や東京ディズニーリゾートへのアクセスの良さ、そして充実した福祉制度によって、幅広い層から注目される人気エリアです。今回はそんな江戸川区の魅力を紐解いていきましょう。
平均年齢が若く、ビジネスマンも多いエネルギッシュな地区
江戸川区の人口は691,084人で、23区内4位です。しかし人口の多さもさることながら、江戸川区を語る上で欠かせないのが、何と言っても平均年齢の若さ。平均年齢は43.16歳で、これは東京23区内で4番目に若い数字です。

さらに労働力人口は315,571人で、全国23位。江戸川区が発表している「江戸川区人口ビジョン」によると、区民のうち就業者のおよそ6割が区外に通勤しているそうです。
最も多い就業地は江東区で、隣接自治体で就業している区民も多いとのこと。隣接する墨田区や千葉県市川市にも、名立たる企業の本社や拠点が多数置かれているため、そちらへ通勤するビジネスマンも多いのでしょう。
また、学生の約3割が千代田区を筆頭に区外に通学しているそうで、隣接自治体への通学者も多数見受けられるとのことです。他にも、葛西駅周辺には区内の専門学校へ通う学生も多いようですね。
加えて、西葛西駅付近には優秀なインド人IT技術者が多数居を構えています。中華街のような「インド人街」があるわけではありませんが、そのおかげもあって外国人人口は23,997人と全国8位。先に挙げた江東区など、大手IT企業が集まる都心へのアクセスが良好な点も、大きく反映された結果なのでしょう。
ビジネスマンや学生、外国人から支持される理由の一つとして、23区の中でも家賃相場や物価が控えめな点が挙げられます。
スーモジャーナル「東京23区の家賃相場が安い駅ランキング! 2016年版」で発表されているTOP15のランキングにも、3位に葛西臨海公園駅(JR京葉線)、14位に一之江駅(都営新宿線)、14位に篠崎駅(都営新宿線)と江戸川駅(京成本線)と、江戸川区から4駅もランクインしています。平均年齢の若さは、こうした点も影響しているのかもしれません。
とはいえ、平均年齢の若さの理由は単純に若いビジネスマンや学生が多い街だから、というばかりではありません。老年人口比率は20.43%で、むしろ高齢者にも住みやすい街と言えます。
ではなぜなのかというと、生まれてくる子どもの数が多いのです。江戸川区はなんと20年以上にもわたり、合計特殊出生率23区内首位を守り続けた実績もあります。
現在は1.43で港区、中央区に続く数字ですが、それでも3位。東京都全域での平均は1.24、区部での平均は1.22だということを踏まえると、充分大きい数字と言えるでしょう。
手厚い子育て支援制度でファミリー層をバックアップ
生まれてくる子どもが多いことを踏まえ、江戸川区は独自の支援制度を設けるなど、子育て支援に力を入れていることでも有名です。
例えば、「子ども医療費助成制度」。こちらは、中学3年生までの子どもの医療費を区が助成してくれる制度です(事前の申請と、マイナンバーの確認が必要となります)。
また、利用するにはいくつか条件がありますが、経済的に出産費用を捻出することが厳しいお母さんでも、きちんと病院で助産を受けられる「入院助産」制度も用意されています。
他にも、有事の際にひとり親家庭へ食事の世話や掃除洗濯、育児などを手伝うヘルパーを派遣する「ひとり親家庭ホームヘルプサービス」など、独自の支援制度を設けています。
いざという時に自治体に頼れるというのは、若いお母さんやお父さんにとっても心強いポイントですよね。

葛西臨海公園を中心に、自然豊かな人気スポットが集まる
東には名前の由来でもある江戸川や旧江戸川。西に荒川や中川、東には東京湾を臨み、三方を川と海に囲まれる自然豊かな土地、江戸川区。
総面積は49.9平方キロメートルで、23区内では4番目の広さです。ですが、東京都建設局が発表している『公園調書』によれば、都市公園の総面積は23区内1位。さらに、区民1人辺りの都市公園の面積も23区内1位を誇ります。
4つ有している都立公園(江東区に続いて2位)のうち、最も知られているのが葛西臨海公園でしょう。緑豊かな公園を自由に散策するのも気持ちが良いですし、日本国内で2番目に大きな観覧車、「ダイヤと花の大観覧車」から富士山や東京ディズニーリゾート、房総半島を一望してみるのも素敵です。
また、葛西臨海公園の中には葛西臨海水族園もあり、こちらも連日にぎわう人気スポット。巨大なガラスドームの中を悠々と泳ぐクロマグロや、国内最大級のペンギン展示施設が人気を集めています。
公園の多い住環境は“住む街としての人気”を、多くの人が集まる施設は“訪れる街としての人気”を支え、区全体に活気をもたらしています。
洗練された街へ変化する江戸川区の中心、小岩駅エリア
老朽化した木造住宅が多く、「下町感」以上に災害時の危険性が指摘されていたJR総武線、小岩駅周辺。現在、「100年栄える小岩」を目指して再開発計画が進行中です。
2007年から始まった再開発計画では、駅前広場や道路の整備のほか、ショッピング施設をメインとした再開発ビルなどの建設も予定されており、地域住民の方々と連携して災害に強い街づくりを進めているそうです。
総武線はアクセスの良さや運行本数の多さで人気の路線ですし、再開発が進めば小岩駅周辺に人が集まりそうですね。不動産投資を考える上でも、再開発の動向は注目しておきたいところです。
23区内でありつつも自然豊かで物価も安く、ビジネス街やレジャー施設へのアクセスもよい江戸川区。今でも若い夫婦やビジネスマン、果てはエリートインド人たちからも支持される人気のベッドタウンですが、中心部の再開発が進めばさらに物件需要が高まるでしょう。
ちなみに、都内だけでなく千葉県に隣接しているという特徴から、そちらの地縁者からの需要も見込める点も、江戸川区の「美味しい」ポイントです。不動産投資を考える際は、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか?