資産運用

格差はっきり「立地適正化計画」で日本は変われるのか?

2017.10.20

加速度的に策定が進む「立地的成果計画」とは?

 日本の面積は、377,972km2で、62位です。これは、実はドイツ(63位:357,121km2)やイタリア(72位:301,336km2)、イギリス(80位:242,495km)など欧州の多くの国よりも広いことをご存じでしたか?

 一方、人口を見てみると面白いことがわかります。国連が2017年6月21日に発表した「世界人口予測2017年改訂版」によると、日本の人口は1億2784万4千人となっています。これに比べて、面積がほとんど変わらないドイツは8211万4千人です。日本は約1.5倍も人口が多いのです(ちなみに先ほど挙げたイタリアは5936万人、イギリスは6618万2千人です)。

 

 国土面積の割に、欧州と比べ人口の多い日本ですが、森林など使えない箇所も多いのも事実です。今のように日本全国に幅広く人が住めば、人口が減っていく(税収が減っていく)のにもかかわらず、自治体の教育・行政サービスは現在のまま提供しなくてはならず、破綻への道へ進んでしまいます。たった1人の居住者のために、ごみ収集車を出すとなれば、どれだけのコストがかかるのか考えるとイメージしやすいのではないでしょうか?

 人口減で税収が減れば、道路やトンネル、橋などの交通インフラの整備も負担となってきます。

 そこで、注目をされているのが2014 年8月に生まれた街のあり方を根本的に変える改革「都市再生特別措置法の改正」です。背景は、地方都市では高齢化が進む中で市街地が拡散して低密度な市街地を形成し、大都市では高齢者が急増していることにあります。

 ここで「立地適正化計画」が示され、福祉・医療施設や商業施設などを集約する「都市機能誘導区域」と、居住を促し、人口密度を維持する「居住誘導区域」を設定し、各自治体で調整をかけていきます。

 こうすることで、無駄なエリアを減らし、コンパクトシティ化を各自治体が目指し、生活サービスやコミュニティが持続的に確保できるようにしていくのがねらいです。

「金持ち不動産、貧乏不動産」の差が鮮明に

 日本の住宅価格は下落するのではなく、エリアによって激しい格差が生じると言われています。それは、現在の東京の地価などを見ればわかるのではないでしょうか? 場合よっては、価値がマイナスになるなんてことも多くの土地で発生する状況になります。

 そんな中で、アパート経営や不動産投資をしていく場合、どのように向き合えばいいでしょうか。昔のように父親が土地を持っていたから、そこでアパート経営をするという時代ではないのです。

 ポイントは、先ほど説明した自治体の「立地適正化計画」の誘導区域内であることでしょう。多くの自治体がまだ未整備、ないしは形だけの計画を立てているとは言われていますが、今後の動向を見ていく上でもチェックしておくべき計画です。

 この「立地適正化計画」とあわせて見ておきたいのが「ハザードマップ」です。立地適正化計画から外されやすいエリアは、ハザードマップにあるといってもいいでしょう。例えば、浸水可能性が予想される場所は外されやすいとも言えます。

土地の検討材料としてハザードマップも確認したい

 また、各自治体の財政状況やサービスも見逃してはいけません。子育て支援など、住人を増やす施策に積極的な自治体も評価できます。犯罪が多くても、立ち直った北千住など、自治体の地力を見ておくことも大切です。

 マット・デイモン主演のSF映画『エリジウム』(2013年)では、超富裕層が生活環境の悪化した地球から離れた衛星軌道上に建造されたスペースコロニー「エリジウム」で暮らし、地球はスラム化し、人々は過酷な生活を過ごしている様子が描かれていましたが、日本の自治体の中でも、まさにこうした超格差が現実になろうとしているのかもしれません。

 そんな将来に備えるための資産づくりは、早ければ早いほうがいいといえるでしょう。そして、資産づくりで負けないためには、情報を収集し、分析し、最後は決断して行動することです。不安なのに、何もしていないが4割を超える日本人なら、行動をしたというだけで金持ち不動産のオーナーになる可能性は高くなると言えるのではないでしょうか?

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最終更新日:2017.10.20

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