「土地あり」と「土地なし」アパート経営を始めるなら、どちらが有利?

2024.02.08

 アパート経営を始めるには、親などから相続した土地を活用する方法と、新たに土地から購入する方法の2通りあります。「土地あり」の場合と「土地なし」の場合、どちらが有利なのでしょうか? それぞれのメリット、デメリットを見比べていきます。

「土地あり」は資金面で有利

 アパート経営を始めるなら「土地あり」の方が圧倒的に有利……一般的にはそう思われている方が多いようです。まずは「土地あり」のメリットから考えていきましょう。

 既に所有している土地でアパート経営を始めるメリットは、やはり「初期投資額が少なくて済む」ことに尽きます。アパート経営を始めるには、土地と建物を入手することが大前提。土地分の費用がまるまる浮き、建物の建築費用だけで済むため有利なのは当然です。

 初期投資額が少ないことで、その後のアパート経営にはどのような影響があるのでしょうか?

・銀行からの借入額が少なくて済む

 アパート経営を始める場合、多くの人は銀行などでローンを組み、購入費用を用意します。建物の建築費用分だけなら、借入額は大幅に少なくなるでしょう。土地購入費用も含めて融資を受ける場合に比べて、審査のハードルも下がります。

 購入資金をいかにして調達するかは、アパート経営を始める上で最初に立ちはだかる大きなハードル。ここを乗り越えやすくなるメリットは軽視できません。土地購入費用を捻出する必要がない分、建物にコストをかけることもできます。

・利回りが良くなる

 融資の借入額が少ないということは当然、月々の返済額も減ります。すると家賃収入の多くが残り、利回りが良くなるのは当然です。アパート経営の初期段階から、多くの利益が手元に残ることで安定的な経営につながります。

 次に、所有している土地でアパート経営を始めることのデメリットも考えてみます。

・土地を自由に選べないこと

 所有している土地が必ずしもアパート経営に適しているとは限りません。せっかくアパートを建てても入居者がいなければ収益が上がらず、無駄な出費になってしまいます。言うなれば運次第。これはデメリットというよりリスクと考えた方が良いかもしれません。

・適切なタイミングでアパート経営を始めにくい

 たとえば親から土地のみを相続されたとします。しかし土地にかかる税金のひとつ、固定資産税の税額は更地より、住居が建っている土地の方が大幅に有利。更地を所有しているとコストがかかってしまうため、アパートを建てて収益化しよう……という発想になりがちですが、その選択が必ずしもベストとは限りません。地域の賃貸ニーズが減退している、あるいは建物の建築費用が高騰しているなど、適切でないタイミングでアパートを建ててしまうリスクが考えられます。

ニーズの高いエリアを選べるのが「土地なし」の強み

 それでは「土地なし」の状態からアパート経営を始めるメリットは何でしょうか? 

・アパート経営に適切な場所、購入のタイミングを自由に選べる

 これは先述した「土地あり」のデメリットとは正反対に、最大のメリットと言えるでしょう。アパート経営を成功させるには、間取りや設備といった要素ももちろん大切ですが、それ以上に土地選びが重要と言われています。若者が多く暮らしているエリア、駅から近く利便性の高いエリアなど、賃貸需要の旺盛な立地でなければ、そもそもアパート経営は成り立ちません。

 もちろん駅から離れているエリアでも“ファミリー向けの広々とした間取りにする”“ガレージ付き物件など個性的な作りとしてターゲットを絞る”といった工夫で対策すればアパート経営することはできますが、収益性の面ではやはり、賃貸ニーズの高い土地に建てた方が有利といえそうです。

 また、その土地がアパートを建てるのに適した条件であるかも重要な要素です。狭小地や変形した土地の場合は、建てられるアパートの戸数や形状がどうしても限られてしまいます。地盤の弱い土地だった場合なら、改良工事を行うのに思わぬコストがかかってしまうかもしれません。「土地なし」の状態から始めるなら、そうしたリスクを回避し、アパート経営に最適な土地を選ぶことができます。

 エリアを限定せず、広い範囲からアパート経営に適した土地を見つけることができるのも有利な点です。

ローンの負担分は収益性でカバーできる

 逆に「土地なし」からアパート経営を始めるデメリットについて考えます。

・初期投資が増えることで利回りが不利になる

 これも「土地あり」におけるメリットの裏返しになりますが、土地購入分の初期投資が増えてしまうこと、またローン返済額が増え、利回りが不利になることです。しかし、このデメリットは収益性の高いエリアにある土地を選ぶことで解決が可能です。一戸あたりの家賃を高く設定でき、空室率を低く抑えることができれば収益性は高まり、ローン返済分の出費をカバーすることができるでしょう。賃貸ニーズの高いエリアにあるアパートなら、将来手放すときにも高値での売却が期待できます。

 それでも融資額が高額になる場合、審査をクリアするのが難しい、という問題は残ります。ただ銀行などのアパートローンでは土地や建物が担保となるため、審査においても年収や所有資産、信用だけでなく、アパート経営の妥当性も評価の対象となります。高額融資であっても、投資する価値のある土地、地域の賃貸ニーズを確実に掴める建物だと金融機関に判断されたなら、融資審査をクリアできる可能性が高まるでしょう。

 このように考えると、所有している土地が運良くアパート経営に適している場合を除いて、「土地あり」の優位性は思うほど多くないように思われます。土地の条件に左右されず、エリアも建物も自由に選べることが「土地なし」からアパート経営を始める最大のメリットといえるでしょう。シノケンでアパート経営をスタートさせた多くのオーナーも、「土地なし」から始め成功を収めています。

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最終更新日:2024.02.08

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