新築(木造)アパートへの投資と、中古(木造)アパート投資ならどっちが儲かるのか?

2023.12.15

 アパートを購入するとき、自分の思い通りに設計できる新築にするか、初期投資額の安い中古物件にするかは不動産オーナーにとって最初に悩むことでしょう。新築物件と中古物件、どちらにもメリットとデメリットがあります。今回は収益性にフォーカスして、新築と中古の違いをじっくり見比べてみます。

新築アパートのメリット&デメリット

 賃貸経営の収入源は、入居者からの家賃です。その不動産を取得するのに要した費用=初期投資額に対して、どれだけ家賃収入があるのかを「利回り」と言いますが、実質的な利回りを求めるには経費も考慮しなければなりません。初期投資額と経費をできるだけ抑えながら、いかにして高い家賃収入を維持するかが賃貸経営のポイントです。

 こう聞くと、安い価格で購入できる中古アパートの方が儲かるのでは? と思うかもしれません。確かに、新築アパートは新たに建物を建てるため、既に建っている中古アパートを購入する場合に対して初期投資額が高くなりがちです。しかし新築ならではのメリットが数多く存在します。以下に代表的なメリットを挙げましょう。

・建物を思い通りに設計できる

 アパート経営において、建物は入居者を引きつけるための大事な商品です。間取りやインテリア、設備の内容が賃貸ニーズに見合ったものでなければ入居率を高める=高い家賃収入を得られません。新築なら地域のニーズを十分にリサーチした上で、目的どおりの設計にできます。中古物件でもリフォーム等によって訴求力を高めることはできますが、部屋の面積や間取りを抜本的に変えるのは難しいところです。前オーナーが物件を売却した理由が空室率の高さだとしたら、アパートの設計コンセプトを見誤っていた可能性がないか、疑ってみる必要があるでしょう。

・入居者を確保しやすい

 アパートへの入居を希望している人の中には、新築にこだわって探している人が決して少なくありません。新築物件はそれだけ訴求力の高い要素なのです。新築のときに良い入居者と出会えれば、長い期間にわたって契約してくれる可能性も。ちなみに住宅情報誌などで“新築”と記載できるのは、過去に誰も入居したことがなく、かつ完成後1年未満の物件に限られています。この期間に満室を確保していくことが、後々の入居率=収益性にも大きく影響します。

・設備維持コストが安く済む

 部屋に備え付けた設備や共用設備は、維持するためのコストがかかります。これら維持コストは年月を経るほど高額になりがちです。また外壁を修繕するコスト、オーナー負担分の内装修繕費用などについても、築年数のたった中古物件は高くなる傾向にあります。新築物件ではそうしたコストを一定の間低く抑えられることで、高い収益性が得られます。逆に中古物件を購入する場合は、以前の管理が行き届いておらず、修繕や修理に高いコストがかかる可能性を考えておかなければなりません。

 これらメリットがある一方で、新築物件を購入する上での数少ないデメリットと言えば、最初に大きな予算が必要になることでしょう。金融機関から融資を受ける場合も、融資額が高額かつ返済期間が長期間になる分だけ、融資審査が厳しくなる傾向にあります。しかし投資額が大きくても上記のように大きなリターンが期待できるため、融資を受けられるなら新築を選んだ方が無難かもしれません。トータルでの収益性で判断すべきです。

 長年にわたってお客さまのアパート経営をサポートしてきたシノケンでは、これまで数多くの新築物件を手がけてきました。土地を持っていない方、自己資金が少ない方でも安心してアパート経営にチャレンジできる環境が整っています。

中古アパートのメリット&デメリット

 いっぽうで中古物件を購入する最大のメリットは、投資額を抑えられることに尽きます。金融機関からの融資を最小限にとどめたい、短期間で初期投資を回収したいと考えている人は、中古物件を選ぶのも一案です。

 また中古物件は既に実績があるため、収益見込みを立てやすいのもポイント。購入後の入居率を予想し、キャッシュフローをシミュレーションするにあたって新築では周囲の物件を参考にして予測するしかありませんが、中古なら過去の入居率で判断できます。

 中古のデメリットは、新築メリットの裏返しと思ってほぼ間違いありませんが、前述の通り“新築”とうたえるのは完工直後だけに限られるため、築浅の物件なら新築に近いメリットが期待できます。

節税面における新築と中古の違い

 ここまで利回りに注目して話を進めてきましたが、アパート経営における大きな魅力のひとつ“節税メリット”は、新築アパートと中古アパートで何か違いがあるのでしょうか?

 アパート経営でどれだけ節税できるかは、実は減価償却が大きく関わってきます。減価償却とは、建物など資産の購入に使った金額を、経年によって価値が減った分だけ経費計上する税務上の仕組みです。不動産でも土地は年月がたっても価値が変わらないため減価償却できませんが、建物は減価償却が可能。実際の支出ではなく、あくまで帳簿上の金額であることが減価償却費の特徴であり、この仕組みをうまく利用することで節税につながります。

 減価償却できる期間は構造ごとに定められている法定耐用年数に従う規則になっており、木造アパートの場合は22年。つまり建物部分の取得費用を22年間に分割して計上します。

 一方、中古物件の場合は法定耐用年数を経過したか否かによって減価償却期間の計算方法が変わります。法定耐用年数を経過していない物件の減価償却期間は、「(法定耐用年数−経過年数)+経過年数×20%」で計算されます。たとえば築10年のアパートを購入した場合は「(22年−10年)+10年×20%」で14年。法定耐用年数を経過した物件の場合は一律、「法定耐用年数×20%」=4年で計算されます。

 仮に新築と中古で建物の取得価格が同額だった場合、中古は築年数が経過しているほど、より短い期間で償却することになります。つまり1年あたりの減価償却費をより大きく経費計上できるのです。たとえば取得価格が5000万円だった場合、新築における1年あたりの減価償却費は5000万円÷22年で約227万円(定額法の場合)となりますが、築10年を経過した中古物件の場合は5000万円÷14年=約357万円です。

 こうした事実から「減価償却費が大きく取れる中古アパートの方が、新築アパートよりも節税メリットが大きい」という論調の記事を見かけますが、実際にはケースによって大きく異なります。たとえば現在の収入は多いが、将来的に減っていく……と予測を立てている人の場合は、短い期間で減価償却できる中古物件が適していると判断できるでしょう。ただし、減価償却期間を終えた後、帳簿上の収益が増えることで税額が急激に増えることには注意しなければなりません。この時点で融資の返済が残っていると、帳簿上は黒字になっているのに実際のキャッシュフローは赤字となる「デッドクロス」に陥ってしまいます。

 反対に、将来にわたって安定的な収入が見込める、と予測している人の場合には、長い期間にわたって減価償却できる新築物件が適しています。新築と中古で取得価格が同額なら、どちらも最終的に経費計上できる減価償却費は変わりません。節税メリットを考える上での大切なポイントは、赤字計上するときの金額を大きくしすぎないこと。赤字計上する場合、損失額が0円でも100万円でも法人所得税などの税額は変わらないためです(翌年度への繰り越しを考慮に入れない場合)。

 賃貸収入は、会社勤めでの給与など他の収入と損益通算できるのもポイントのひとつ。つまり全体のキャッシュフローをできるだけ正確に予想し、そのプランに応じて新築にするか、中古にするかを判断するのが正解です。総合的に考えると、新築アパートは安定的、かつ期待値に近い収益を生み出してくれる可能性が高いと言えます。

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最終更新日:2023.12.15

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