アパート経営のノウハウ

不動産投資、自主管理と管理委託どっちを選ぶ?

2023.10.13

アパートを経営するにあたっては、必ず管理業務が発生します。管理業務をすべてオーナー自ら行う「自主管理」にするか、外部の会社に委託する「管理委託」にするかは判断に迷うところでしょう。この記事では自主管理と管理委託、それぞれのメリット&デメリットを解説します。

自主管理のメリットとデメリット

 入居者に快適な暮らしを提供し、アパートの資産価値を長く維持するためには、適切な管理が不可欠です。管理業務は入退管理から家賃の集金、設備の点検など多岐にわたります。代表的な管理業務は以下のとおりです。

・入居者の募集、審査
・賃貸契約の締結、鍵の保管
・消防設備点検
・家賃の入金管理
・入退去などに伴う修繕の発注
・清掃
・家賃の集金、入金がない場合の督促
・退居時の立ち会い
・入居者からのトラブルやクレームへの対応

 これらの複雑かつ専門的な管理業務を、委託せずにオーナー自ら行うことを「自主管理」と言います。サラリーマンなどが副業で賃貸経営するのが一般的でなかった時代は、多くの大家さんが自主管理を行っていました。昔ながらの賃貸経営スタイルとも言えるでしょう。ただ、現代では文字通りに一から十までオーナーが管理しているケースは希です。

 自主管理のメリットといえば、何と言ってもコストがかからないことです。後述する委託管理では外部の管理会社に管理手数料を支払わなければなりませんが、自主管理の場合には発生しません。家賃収入から税金や修繕にかかる費用などの支出を除いた大部分の金額が利益として手に入ります。

 デメリットはご想像のとおり、管理に多くの手間と時間を要することです。水漏れなどのトラブルはいつ生じるか分からず、基本的に24時間365日の体制で対応しなければなりません。専業ならともかく、副業としてアパート賃貸業を行っているオーナーには困難な経営スタイルと言えるでしょう。

 また、入居者の募集や契約、設備の点検などには専門的な知識が必要とされるため、オーナーだけでは管理が行き届かない可能性も考えられます。管理体制の不備は入居者からの不満につながりやすく、退居されてしまうリスクが高まります。コスト節約のために自主管理を選んだ結果、空室が増えて家賃収入が減ってしまった……のでは本末転倒です。

管理委託のメリットとデメリット

 管理委託は、上記に挙げたような管理業務を外部の管理会社または不動産会社に委託することを指します。現代では賃貸経営に関わる、ほぼ全ての管理業務を外部に委託できるようになりました。

 管理委託するひとつ目のメリットは、オーナーの手間と時間を大幅に減らせる、という点です。不動産管理を専門に行っている会社であるため、効率が良く、質の高い管理が期待できます。全面的に委託すればオーナーの負担はごく限られたものとなり、会社勤務などの本業があっても不動産経営を十分こなせるでしょう。戸数の多い物件、複数の物件を経営するには、管理委託が堅実です。

 たとえばアパート経営に関して30年以上の実績を持ち、サラリーマンが副業として賃貸物件を所有する経営スタイルを確立してきたシノケンでは、アパート経営開始後の管理業務を一任することが可能。ノウハウが全くないオーナーも、物件の購入から運用まで安心してアパート経営できる地盤を築いてきました。シノケンでアパートを購入したオーナーからは「以前と同じように本業を続けたまま、アパート経営することができた」といった声が届いています。

 管理委託するメリットはもうひとつ、「オーナーの自宅から離れた遠方の物件を所有、管理できる」ことも挙げられます。前述のように自主管理では、清掃などの管理業務を行うために通う必要があり、さらにトラブルやクレームにも常時対応することが求められるため、オーナーの自宅と所有物件の距離が近くないと成立しません。その点、管理委託なら遠方の物件であっても外部の会社に管理してもらえます。つまり地元に限らず、賃貸ニーズが高まっているエリアから投資する物件を自由に選べる、ということ。ご存知のように立地条件は、賃貸経営の成否を大きく左右する要件です。全国の都市に拠点を有する管理会社をパートナーに選ぶことで、賃貸ニーズの高いエリアのみに投資することができます。

 一方で管理委託のデメリットは、管理手数料が発生することに他なりません。一般的に管理手数料は「賃料の何%」といった形で取り決められ、その割合は委託する会社、委託する業務の内容、管理戸数等の条件によって大きく異なります。

 家賃収入(売上)に対する純利益の割合が減ってしまうのは事実ですが、自主管理の場合にかかる手間と時間を考えると、管理手数料を払ってでも委託した方が結果的にリーズナブルである場合がほとんどでしょう。オーナーは空いた時間を利用して、他の仕事をすることもできます。

管理会社を選ぶときに重視したいことは?

 それでは、委託する管理会社を選ぶときのポイントは何でしょうか? 第一に、管理手数料の金額が考えられます。どの程度の管理手数料が妥当かは、委託する業務内容、クオリティとのバランスで検討する必要がありますが、そもそも高すぎる場合は経営が成立しません。ローンの返済額や税金、修繕等にかかる支出などと合わせて十分にシミュレーションした上で、妥当な管理手数料の金額を算出しましょう。

 管理業務の内容やクオリティも重視したいところです。一般的な管理業務の内容は前述したとおりですが、管理会社によっては一部の業務しか請け負っておらず、複数の会社と契約しなければならないケースもあります。オーナーの手間と時間を節約するためには、すべての業務を一任できる会社を選ぶと良いでしょう。

 また、日々の清掃などをどの程度、丁寧に行ってくれるか、入居者募集を熱心に行っているか、入居者対応を親身に行ってくれるか、といった管理のクオリティは数字に表れにくい部分。しかしながら物件の評判に直結し、入居率に影響することが少なくありません。その管理会社を利用している賃貸経営者からの評価などを参考にして、慎重に検討しましょう。

 自身の大切な財産である賃貸物件の管理を安心して任せられる管理会社、不動産会社を見つけることができれば、賃貸経営の頼もしいパートナーとなってくれるはずです。

Editor:
最終更新日:2023.10.13

おすすめ記事