
デザインによる差別化で入居者アップ
アパート経営で収益を上げるためには、他物件と差別化することが重要な要素の一つとなります。しかし「具体的に、どう差別化したら良いのか分からない」、「個性を出しすぎて、逆に入居率が下がってしまうのが心配」という方も多いのではないでしょうか? 入居率アップのキーワードとなるのは、ターゲットに適性化したデザイン。今回はアパートのデザイン性について考えてみます。
デザイン性を高めて効率的に差別化
賃貸オーナーにとって最も大きな課題は、入居率を高く維持することでしょう。部屋が埋まるかどうかは賃貸経営の成否を分けるポイントです。
物件の入居率を大きく左右する要素が、地域の賃貸ニーズです。つまり、立地の特性を見極めることが大切。部屋の広さや間取り、設備が入居希望者の要望に見合っているかも重要となります。しかし、賃貸ニーズの高い土地には競合となる物件が多いのも事実。他物件との競争に勝つため、家賃を下げざるを得ない……といったケースも考えられますが、結果として経営が悪化してしまっては元も子もありません。
部屋の広さや設備などについても同様で、限られた土地面積、限られた投資額の中で充実させようと思うと、どうしても競合物件と似通った内容になってしまいがちです。それでも、新築から間もない頃はアドバンテージがありますが、経年劣化が始まる投資期間の後半になると空室が増加、あるいは家賃が下がり、収益性が悪化してしまうリスクは避けられないでしょう。そうしたリスクを回避するためには、他物件と差別化する必要があります。そこで求められるのが、人を惹きつけるデザインや個性的な設備です。
ターゲットを明確にする重要性
賃貸物件、特にワンルームのデザインというと、かつてはどんな層からも好まれる無難なものとするのが一般的でした。しかし現代の若者は、たとえワンルームでも自分のライフスタイルに合ったインテリアを求める傾向があります。DIY人気の高まりなどを見ても、そうした傾向は明らかになっています。
入居希望者が他の似たような物件と迷ったときに、決め手となるのがインテリアです。とはいえ、特別に奇をてらったものにする必要はありません。地域の特性を見極め、そこに暮らす人たちの志向に寄り添ったデザインとするのが理想です。たとえば単身サラリーマンの多い地域なら、クールで落ち着いた印象のインテリアに。女性をターゲットとするなら、柔らかな印象のインテリアとして、同時に外からの視線が気にならない空間設計とする……など、快適な日常生活を送るためのデザインとしても様々な手法があります。また、アウトドアや自転車、DIYなど、趣味にスポットを当てたターゲットを想定し、最適化したインテリアにするのも物件を個性化する手法のひとつです。シノケンでは、全国のご入居者様を対象に「お部屋自慢コンテスト」を開催しています。
また、もしも駅から離れている立地にある物件なら、広い敷地を活かしてガレージを併設し、車好きや趣味人のニーズに対応する……なども一案かもしれません。間取りなどと違って制限がなく、物件の個性を自由に演出できるのがデザインの良さです。狭さを好むスタイルも、都市部の若者に浸透してきています。
もちろん投資ですから、デザインを重視するにしてもコストとのバランスは考えなければなりません。しかし経年によって劣化し、メンテナンスや交換が必要となる建物や設備と違い、デザインは最初に費用投下すれば半永久的に価値が持続します。ご存知のとおり、賃貸不動産経営においてはできるだけ長い期間にわたって入居率を高く維持することが、健全経営のかなめ。こだわりのあるデザインは物件がもつ唯一無二の魅力となり、一定年数経過後の稼働率を高めるとともに、長期入居を促してくれることでしょう。
ニーズに即した空間設計とデザインを
一方で、部屋探しの際に内見する物件数は平均3件程度で、年々少なくなってきているというデータがあります(「2018年度賃貸契約者動向調査」株式会社リクルート住まいカンパニー調査https://www.suumo-research.com/research/2019-9-24)。これは物件探しサイトが充実し、写真が綺麗になった影響が大きいと考えられます。実際の物件を見なくても、写真である程度判断できるようになり、時間をかけて足を運ばなくとも多くの人に広く知ってもらえるようになったことは、不動産オーナーにとっても有利といえます。またSNSが一般的になった今、個性的なインテリアを写真共有アプリなどで発信する若者が増えました。写真映えを意識したインテリアとすることも、現代の賃貸経営においては必要なテクニックと言えるでしょう。
長年にわたってオーナーの賃貸不動産経営を力強くサポートしてきたシノケンのアパートは、すべてオリジナルの自社設計・自社デザインを採用。1棟ずつデザイナーがオリジナルのプランニング・設計を行うことで、世界で1つだけのデザインを提供しています。
参照:世界に1つだけのデザイナーズアパートをシノケンで。機能的で美しいデザイン
2016年には主力商品である 「New Standard “BRICK” /“PLATFORM”」でグッドデザイン賞・ダブル受賞。スキップフロアでロフトと水まわり、居室を立体的につなげ、ワンルームという限りある空間を最大限に活用した空間設計の巧みさ、さらに心地良さを追求したデザイン性などが受賞につながりました。
賃貸物件、特にワンルームアパートのデザインというと壁紙の色や細部の仕様などがイメージされがちですが、本来はこうした空間設計とデザイン性の調和にこそ目を向けるべきでしょう。オーナーの成功を第一に考え、住まう人に喜んでもらえるインテリアとするのはもちろん、地域における小さなランドマークとなるような外観デザインを心掛けてきた結果が、シノケンの98.39%※という高い入居率につながっています。
※2022年年間平均/自社企画開発物件