
少額から始められる投資。メリット・デメリットを解説
不動産投資は多くの自己資金がなければできない……という常識は過去のものになりました。現在は少額から始められる不動産投資の手段がたくさんあります。今回の記事では少額不動産投資の種類を紹介するとともに、それぞれのメリットやデメリットについて解説します。
1万円からでも始められる手軽さが魅力の少額不動産投資
少額不動産投資とは、1〜100万円程度の投資金額から始められる不動産投資のことを言います。明確な規定はありませんが、アパート一棟やマンション一室といった実物不動産以下の金額で投資できる投資形態、と考えておけば良いでしょう。
少額不動産投資には様々な投資商品がありますが、総じて言える利点は「手軽に始められること」にあります。自己資金が少なくても、手元にある資金ですぐに始められるのがメリットです。多くの場合、実物不動産投資とは違って建物の設計を考えたり、登記などの手続きをしたり、維持管理に時間を費やしたりする手間がかかりません。
利回りは投資商品によって様々。運用の手間がかからないなら、銀行に預けておくより良いだろう、という理由で始める人が多いようです。もちろん少額とはいえ投資なので、原価割れ等のリスクは金融投資などと同様にありますが、融資を受けずに手元にある資金だけで投資すれば負債が残るリスクはありません。
さらに利息の付いた元本を翌年度、再投資することで複利効果を狙いやすいメリットもあります。仮に平均利息4%だとしても、再投資を続ければおよそ18年で資産は倍額になります。
参考:元本を2倍にするのに何年かかるかは「72の法則」を使う
将来のために資金を増やしたい人、忙しい中でも投資を始めたい人はもちろん、実物不動産投資に向けて経験を積んでおきたい人にもぴったりの投資方法と言えるでしょう。
クラウドファンディングやREITなど、少額不動産投資の種類を解説
続いて、少額不動産投資の種類を見ていきましょう。少額不動産投資には以下の種類があります。なお、比較的少ない予算で購入できる実物不動産(中古一軒家など)を含めることもありますが、今回は除外します。
■不動産クラウドファンディング
起案者が提案するプロジェクトに対してインターネット上で資金を募り、達成すると完成した製品をいち早く手に入れられたり、サービスが受けられたりするクラウドファンディング。資金を募る対象を不動産に限定したものが不動産クラウドファンディングです。
起案者である事業実施者は、集まった資金を元に不動産を売買・賃貸し、そこで得られたインカムゲイン、キャピタルゲインを投資してくれた人たちに還元します。投資金額はプロジェクトによって様々ですが、「一口1万円から」が一般的。中には1円から投資できるものもあります。インターネット上で手続きが完結する手軽さが最大のメリットと言えるでしょう。「FUEL」「cozuchi(warashibeから名称変更)「creal」など不動産クラウドファンディングに特化したサイトもあります。
下記で紹介するREITとの違いは、投資する物件の選択を自分自身で行う点にあります。選定する手間はかかりますが、不動産オーナーになった気分を手軽に味わえるのが魅力のひとつ。一方で、1万円程度の少額投資だと物件選択や審査などに要する手間に対してリターンが見合わない可能性もあります。また、元本割れするリスクもゼロではありません。
参考:一口一万円から資産運用が可能に? 注目を浴びる「不動産投資型クラウドファンディング」
参考:不動産投資が身近になる「不動産投資型クラウドファンディング」最新事情
■REIT(不動産投資信託)
REITは投資家から証券として資金を集め、資産運用のプロ(専門家)が不動産に投資、そこで発生したキャピタルゲインやインカムゲインを投資家に分配する仕組みのことです。プロが物件を選定、分散投資しながら運用するので確度が高く、投資家自身の手間もかからないのが魅力です。
REITの中に、インカムゲインを中心に安定的な収入を狙ったもの、高配当を狙うキャピタルゲインが中心のものなど様々なタイプの商品があり、投資対象もオフィスビルや商業施設、戸建て住宅など多様です。利回りも様々ですが、3〜5%程度が一般的。一口数万円から投資できる銘柄もあります。
価格の変動に応じて、売買しやすい(=流動性が高い)点がREITの大きな魅力です。また「少額投資非課税制度」であるNISAを利用して運用できるのも、REITならではの特典。「一般NISA」では年間120万円の投資金額まで税金がかかりません(2024年以降は「成長投資枠」と名称が変わり、上限が240万円に引き上げられます)。
一方デメリットは、流動性が高いために価格が変動しやすい点にあります。売りが殺到したときには、不動産価値に関係なく証券価格が大きく下落することも。そうした部分は金融投資信託と同じ特性です。また運用が完全にプロ任せで、投資家から投資対象の様子が見えにくいのも事実。不動産投資の醍醐味を味わいたい人には少々物足りないかもしれません。
■不動産小口化商品
不動産小口化商品は、一件の不動産を一口100万円程度に分割して販売し、投資額に応じた収益を出資者に分配する商品のことです。投資家と事業者の契約内容によって「匿名組合型」「任意組合型」「賃貸型」の3種類に分けられます。
投資家が組合に対して出資し、自身が組合員となる「任意組合型」「賃貸型」のふたつについては、投資家が不動産所有権を持つ点に特徴があります(「匿名組合型」の場合、所有権は事業者)。収入についても「不動産所得」となり、節税に強い点もメリットと言えるでしょう。アパート経営などの実物不動産投資に最も近い投資形態と言えます。
デメリットは、他の少額不動産投資に比べると、ひと口あたりの金額が高めであること、流動性が低いことです。
少額投資で不動産経営の基本を学ぼう
シノケングループでは実物不動産の建築や経営サポートを行うだけでなく、住宅特化型私募REIT商品も運用しています。REITなら個人では投資が難しいマンションなど大型不動産への投資も可能。高い入居率を誇り、安定したインカムゲインが期待できる賃貸住宅不動産への様々な投資機会をご提供しています。
将来的には実物不動産投資にチャレンジしたいけど、その前にまず少額不動産投資で不動産経営を疑似体験してみたい、自己資金を増やしたい、という方にぴったりの投資方法です。