アパート経営にはいくら必要? 年収別の不動産投資をガイダンス

2022.07.28

 不動産投資とひと口に言っても、REITからアパート・マンション、ビルなどの商業不動産まで投資対象は様々です。資産形成のために不動産投資を始めようと思っているけど、何から手を付けたら分からない……という人は少なくないでしょう。そこで、どのような投資金額と投資対象が最適か、判断するのに重要な指標のひとつになるのが年収です。今記事では年収ごとの不動産投資スタイルを考えてみます。

年収500万円以下でも不動産投資は可能

 かつては「不動産投資を始めるなら最低でも年収500万円程度は必要」と言われていました。その理由は、年収500万円以下だと金融機関で不動産投資ローンやアパートローンを借り入れることが難しいからです。しかし近年、REIT(不動産投資信託)など、比較的少額から始められる不動産投資が登場してきました。

 REITであれば、ファンドによっては数万円単位での投資も可能。また最近では、クラウドファンディング型の不動産投資も人気です。クラウドファンディング型の不動産投資では特定の不動産に投資できるため、少額投資でもオーナーになった気分を味わえます。年収500万円以下の場合、収入の中から生活費や貯蓄分を差し引いた余剰を投資に充てることになりますが、どの程度の金額を投資するかは年収だけでなく、貯蓄額によっても変わります。銀行への預け入れ金利の水準が低い現在なら、収入を積極的に投資へと配分するのもひとつの手でしょう。

年収500〜1000万円なら可能性がぐっと広がる

 年収500万円以上になると金融機関で不動産投資ローンを組み、それを資金源とする本格的に不動産投資できる可能性がでてきます。借入可能額は申込者の属性や物件の取得金額、申し込む金融機関によって異なりますが、一般的に年収の8〜15倍ほど。年収500万円なら4000〜7500万円となり、中古・新築マンションの一室やアパート一棟といった実物不動産投資も視野に入ってきます。実物不動産投資では借入によるレバレッジ効果を発生させることで、収益性を高くすることが可能です。

参考:不動産投資でよく耳にする「レバレッジ効果」ってなに?

 ただし、投資先となるマンションやアパートによって、また借入先の金融機関によって、物件取得費用のすべてをローンで賄えるとは限りません。一般的な不動産投資ローンでは、借入額の2割前後の頭金が必要と言われています。年収500万円で5000万円のローンを借りる場合、必要となる頭金は1000万円。頭金や諸経費まで含めて借りられる「フルローン」も存在しますが、その場合もできるだけ多く自己資金を持っている方が安心であり、金融機関の審査にも通りやすくなります。

 不動産投資ローンを利用したいなら、早い段階から投資計画を入念に立て、貯蓄を増やしておく必要がある……と言えるでしょう。また、年収500〜1000万円の人が不動産投資ローンを組む場合、それ以上の収入がある人に比べて金利や借入期間、借入可能額などの面で有利な条件を引き出しにくいことも少なくありません。貯蓄額が少ない段階では無理してローンを組まず、上記のような不動産投資信託や金融投資などで自己資金を増やすのも一案です。

年収1000万円以上で融資条件が有利に

 年収1000万円以上になると、マンションやアパートなど実物不動産への投資が俄然、有利になります。年収が高いほど不動産投資ローンの審査が通りやすくなり、借り入れる金融機関の選択肢が増えるためです。メガバンクなどの審査に通れば、より金利の低いローンを長期間にわたって組めるかもしれません。同じ金融機関であっても、年収や貯蓄額、属性、金融機関との深耕度などの条件によって金利が変わる事例は少なくありません。不動産投資において、「金利」、「借入期間」、「融資率(資産全体における取得費用のうち、融資によって支払う割合のこと)」といった融資の条件は命運を左右する重要な要素です。

 実質利回りに対して借入金利が高いと、収益性が確保できなくなってしまうからです。低金利で融資を受けることができれば運用計画を立てやすくなり、空室が出る、急な修繕が必要になるなど突発的な事態にも対応しやすくなるでしょう。逆に利回りがそこまで高くない物件であっても、十分に低い金利でローンを組むことができれば採算が合います。投資先の候補が増えることは、不動産投資において大きなメリットです。

 年収1000万円以上ともなると、中にはローンを利用せず、それまでに貯蓄した自己資金だけでマンション一室やアパート一棟を購入できる人がいるかもしれません。ただ、不動産投資において資金を借り入れることは、デメリット以上のメリットを生み出すことが多々あります。融資を受けることで、より高額な物件にも投資できる……つまり投資先の選択肢が増えることがメリットのひとつ。高利回りの物件、長期間にわたって安定的な収益を生み出してくれる新築物件も狙えます。自己資金以上の物件に投資することで、より大きな価値を生み出すレバレッジ効果も高まるでしょう。また、自己資金を不動産の取得目的に使わず、確保しておくことで不測の支出にも対応しやすくなります。家計における借金は少ないほど吉ですが、投資において融資を受けることには数多くのメリットがあるのです。

不動産投資ローンの条件は申込者の信用や金融機関によって様々

 ところで不動産投資では、どのようなローンが利用できるのでしょうか? 居住用の住宅ローンを利用することはできないため、銀行や信用金庫などでは不動産投資専門のローンを用意しています。不動産投資ローンには使用用途が幅広く、投資家の信用度や事業性によって都度、融資条件が審査される「プロパーローン(事業ローン)」と、「アパート・マンションローン」のように使用用途が限定されたローンの2種類があります。「プロパーローン」は事業の健全性に重きをおいて審査され、借入可能額や融資率を高くできる等のメリットがありますが、個別の審査となるため融資が下りるまでに時間を要します。一方で「アパート・マンションローン」では投資対象がアパートやマンションの取得に限定されますが、融資条件がパッケージ化されているために審査がスピーディというメリットがあります。

 「プロパーローン」にしても「アパート・マンションローン」にしても、不動産投資ローンでの融資可否を金融機関が判断する材料として、年収が大きく影響するのは前述のとおりです。その理由は明確で、仮に不動産投資が上手くいかず、マイナスの収支となった場合でも収入でカバーできる可能性が高いからに他なりません。融資の可否だけでなく、金利や借入可能額、借入期間(返済期間)、融資率の上限といた融資条件も、申込者の年収によって変動します。サラリーマンが不動産投資ローンを申し込む際の条件として、年収500万円以上を基準にしている金融機関が少なくありません。一般的に、アパートやマンションなど実物不動産への投資を始める条件のひとつとして、「年収500万円以上であること」が挙げられるのはそのためです。

好条件の融資を引き出すことが健全な不動産経営にもつながる

 ただし、金融機関による審査は年収だけでなく、勤めている会社や事業の安定性、貯蓄額などの保有資産、金融機関との深耕度合い(継続的に口座を有しており、給与振込先や公共料金引き落とし先に利用していることなどが有利に働きます)、他からの借り入れ額などを含めて総合的に判断されます。年収500万円以下でも、勤め先が上場企業で信用度が高かったため、不動産投資ローンの審査に受かった……という事例は実際にあります。

 シノケンは、金融機関とのつながりも深く「自己資金ゼロの100%フルローン・借入期間最長35年」といった好条件での融資をこれまでに数多く斡旋してきました。長年にわたってアパート経営に専門特化してきた実績、収益性・安定性に優れた当社施工物件の価値を、金融機関に高く評価されていることが理由のひとつ。自己資金の少ない方、不動産投資が初めてという方でも、安心してアパート経営にチャレンジできる環境が整っています。

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最終更新日:2022.07.28

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