リノベーション物件の投資

2022.04.21

 不動産経営は、新築や中古物件を購入し、そのまま運用すれば良いわけではありません。資産価値を長期にわたって維持するためには、適切なメンテナンスが必要です。経年変化などで傷んだ箇所の修繕が必要になるのは当然ですが、リノベーションすることで収益性アップにつながることもあります。今回は、中古物件をリノベーションする効果について解説します。

建物に付加価値を生み出すリノベーション

 リノベーションとは中古物件に改修、改装を施して、新たな価値を与えることです。日本では、老朽化した箇所や傷んだ箇所の修繕を行い、新築に近い状態に戻す改修のことを「リフォーム」と呼びます。対して、間取りや設備の大幅な入れ替えなどを行い、新たな価値を生み出すための改装を「リノベーション」と呼ぶことが多いようです。

 新築物件を購入する場合に比べて、中古物件は「取得費用が少なくて済む」という大きなメリットがあり、表面利回り(年間家賃収入 ÷ 物件購入価格 × 100)のアップにつながります。また、既に実績があるため、収支計画の見通しを立てやすいのもメリットと言えるでしょう。

 一方で、築年数が古い物件の場合には、修繕費がかさんだり、賃貸物件としての魅力が下がることで家賃の下落や空室が増えたりするリスクも考えなければなりません。表面利回りは高くても、実質利回りが低い、という結果になってしまうかもしれないからです。

参考記事:新築物件と中古物件、それぞれの強みと弱みは?

 そうしたリスクを解決できるのが、リノベーションです。リノベーションには、どんな効果が期待できるのでしょうか? 

リノベーションのメリットは?

 最大の目的はもちろん、商品力の向上です。中古物件は通常、経年とともに老朽化し、設備なども古くなることで収益性が悪化します。しかし、適切な時期に適切なリノベーションを実施することで、商品である賃貸物件の魅力を向上させることができます。新しい内装、現代のニーズにあった設備は、空室を防ぎ、家賃設定をキープ。高い収益性を確保することが可能となるでしょう。センス良くリノベーションした物件は入居希望者の目を引きつけ、競業物件と差別化されます。若者向け、女性向けなど、特定のユーザー像に的を絞った物件に作り変えることも、リノベーションではよく行われます。

 また一度、設備等を大規模にリフレッシュすれば、それ以降のメンテナンスコストを低く抑えられるメリットもあります。ニーズの高い設備を新たに導入しつつ、無駄な仕様を省くことで、メンテナンスにかかるコストが従来より安くなるかもしれません。そもそも建物の状態を良好に保つことは、物件の資産価値を維持するために欠かせないことです。

事前のリサーチ&シミュレーションは入念に

 リノベーションには当然、費用がかかりますが、一般的には新築物件を取得するよりも、中古物件の取得費用+リノベーション費用の方がリーズナブルです。たとえば、一定の予算の中で収益性を最大限に高めたい場合、立地の良くない新築物件を購入するより、駅近で利便性の良い中古物件を格安で購入し、リノベーションする方が合理的かもしれません。

 その一方で、リノベーションもデメリットやリスクは伴います。水まわり設備などの大規模な入れ替え、間取りの変更などを行う場合には、コストが増大。老朽化の程度によっては、想定外の費用が発生することもあり得ます。また工事期間が長くなると、その分、入居までの空室期間が長くなる=一定期間、収入がなくなることも想定しておかなければなりません。

 また、新たな需要を見越してリノベーションしたにもかかわらず、思ったように入居者が集まらない、収益性がかえって悪化する……というリスクもあり得ます。リノベーションに際しては事前にマーケットリサーチした上で仕様を決定し、できるだけ正確な見積りを算出することが大切です。投資するコストが本当に収益性アップにつながるか、入念にシミュレーションしましょう。

 アパート経営のプロ、シノケンではグループ会社であるシノケンファシリティーズを通じて、お客様の不動産価値を最大限に高める管理業務を承っています。定期的な清掃や点検、修繕といった業務はもちろん、リノベーションや建替えのご相談にも対応。リノベーションの資金やリスクが心配、という不動産オーナーの方も、ぜひ気軽にご相談ください。

 

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最終更新日:2022.04.21

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