
コロナ禍で賃貸住宅の設備ニーズにも変化
住まいに求められるものは、時代とともに変化しています。最近では、コロナ禍により自宅で過ごす時間が増えたことや、テレワークの急速な普及によって、人々の生活様式が大きく変わりました。そうした変化は賃貸需要、とりわけ設備にどのような影響をもたらしているのでしょうか?全国賃貸住宅新聞が昨年10月に発表した「入居者に人気の設備ランキング2021」から読み解きます。
ネット環境と宅配ボックスは変わらず人気
「入居者に人気の設備ランキング2021」は、「この設備があれば周辺相場より家賃が高くても決まる設備ランキング」と「この設備がなければ入居が決まらない設備ランキング」の2種類を、それぞれ単身者向け物件とファミリー向け物件に分けて発表されています。「この設備があれば〜」は、他の物件と差別化され付加価値がある設備。「この設備がなければ〜」は、いわばあって当たり前の設備ということです。
「この設備があれば〜」のランキングから見ていきましょう。単身者向け、ファミリー向け、共に1位となったのは「インターネット無料」です。単身者向けの2位は「宅配ボックス」、3位は「エントランスのオートロック」でした。ファミリー向けでは2位と3位が逆転しますが、大きな違いはないでしょう。注目したいのは今回、新たな項目として「高速インターネット」が単身者向けで4位、ファミリー向けでも8位にランクインしたことです。
単身者向けで前年度から2ランク以上順位を上げたのは、「防犯カメラ」と「ウォークインクローゼット」。「防犯カメラ」はネット通販の利用機会が増え、宅配便への対応が影響しているものと思われます。「ウォークインクローゼット」が、単身者向けで10位となったことは意外かもしれませんが、賃貸需要が高まる中で、高い付加価値として大きく差別化できた結果でしょう。
ファミリー向け物件で、大きく順位を上げたのは「ガレージ」。こちらも単身者向け「ウォークインクローゼット」と同じ背景が推測できます。これまでは「ガレージを求めるなら戸建て、もしくは分譲マンションに引っ越す」ことが常識と考えられてきました。しかし現在では、賃貸にも多様なライフスタイルを求め、選ぶ人が増えてきた……ということかもしれません。

ネット環境は無料であるだけでなく高速も条件
「この設備がなければ〜」の単身者向けランキング、1位は「室内洗濯機置き場」、2位は「TVモニターつきインターホン」、3位は「インターネット無料」。この順位は、前年と同じです。ファミリー向けでは「TVモニターつきインターホン」が、前年の4位から1位へとジャンプアップしました。
全般として、インターネット環境へのニーズはますます高まっています。入居者にとって「インターネット無料」は、面倒な業者への手配、工事が要らず、月々のサービス利用料を抑えられる魅力的な設備といえそうです。また、コロナ禍で動画視聴やオンライン会議の機会が増えたことも影響して、高速であることも求められています。インターネットは、今や光回線が一般的となっていますが、その中でも各戸までの回線が電話回線や同軸ケーブルの「光ハイブリッド」ではなく、各戸まで光ファイバーでつなぐ方式を選ぶ入居者が増えるかもしれません。

防犯関連設備にも高いニーズ
「TVモニターつきインターホン」は、単身者向けでもファミリー向けでも、付いていて当然と思われている設備のようです。他にも「防犯カメラ」や「エントランスのオートロック」など、防犯性にかかわる設備はいずれも人気があります。数年前から、急にニーズが高まった「宅配ボックス」も依然として人気です。また、単身者向けでも「システムキッチン」や「ガスコンロ(2口/3口)などキッチン設備の人気が軒並み上がっており、コロナ禍で自炊する人が増えていることが想像できます。ファミリー向けで「浴室乾燥機」の順位が「この設備があれば〜」でも「この設備がなければ〜」でも上がっているのは、利便性だけでなく、コロナ禍で洗濯物を外に干したくない、という心理の顕れかもしれません。
シノケンのアパートは立地、デザイン性が高いだけでなく、2口コンロのシステムキッチン、カラーモニター付きインターフォンを標準とするなど、設備も充実しています。そして入居者から特に人気の高いブロードバンド常時接続も無料。リサーチを通してニーズの変化を敏感に察知し、市場からの人気の高い設備を揃えることで入居率99%(2021年の年間平均/自社企画開発物件 )を達成しました。これからもお客様の資産に高い付加価値を与え、資産価値を維持する努力を続けていきます。