アパート経営のノウハウ

木造アパートとRC造マンション、不動産投資はどちらがベター?

2021.12.23

 現物資産を所有するタイプの不動産投資において、しばしば比較されるアパートとマンション。建物の構造や所有形態が大きく異なる両者ですが、投資に対するリターン、つまり利回りにおいてはどのような違いがあるのでしょうか? コストや減価償却費も踏まえた実質的な利回りについて、木造アパート経営とRC造マンション経営の違いを考えてみたいと思います。

アパートは建築コストがリーズナブル

 利回りの話をする前に、アパートとマンション、それぞれの特性を振り返っておきましょう。法律的な定義はありませんが、不動産業界では一般的に木造もしくは軽量鉄骨造で1〜3階建ての低層共同住宅がアパート、RC造(鉄筋コンクリート造)もしくはSRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)の共同住宅がマンションと呼ばれます。また不動産経営の面でいうとアパートの場合、ひとりのオーナーが一棟丸ごと所有するスタイルがほとんどですが、マンションの場合は一室ごとの区分所有が一般的です。

 こうした建物の構造面の違いが、利回りにも大きく影響します。まずは表面利回りから考えていきましょう。表面利回りは「年間家賃収入 ÷ 物件購入価格 × 100」で決まります。あくまで一般論となりますが、建築するのに高価な資材や大規模な建設機械、多くの人員を必要とするRC造・SRC造マンションに比べて、木造アパートは建築コストを低く抑えることができます。そのため多くの場合、単位面積あたりの購入価格は、マンションよりアパートの方が安くなります。

 一方で、マンションは購入価格が高い分、家賃収入が多くなる傾向にあります。防音性、防犯性などマンションに対する賃貸ニーズの高さから、一室あたりあたりの家賃を高く設定できるためです。ただ建築コストをカバーできるほど、家賃を高く設定できるかどうかはケースバイケースでしょう。実際の不動産市場に出ている物件の表面利回りを見ると、アパートの方が若干有利なようです。

 参照:資産価値を高めるために。知っておきたい「表面利回り」と「実質利回り」の違い

低めの維持管理コストで実質利回りも有利に

 より現実的な採算性の目安となる、実質利回りではどうでしょうか? 実質利回りは「(年間家賃収入-諸経費)÷(物件購入価格+諸経費)× 100」の式で求めることができます。前述のとおりマンションは建設コストが高いことに加え、エレベーターや消防設備など複雑な構造を有することによって維持管理にかかるコストも高くなりがちです。さらに固定資産税における評価額が高いため、税額も高額。実質利回りにおいてもアパートが有利であり、特に老朽化による修繕コスト等があまりかからない新築の期間ほど有利と言えそうです。

 また、不動産投資における収益性と間接的に関係する部分として、アパートは節税効果が高いことも挙げられます。法定耐用年数において木造アパートは22年、RC造・SRC造マンションは47年と決められており、その期間内に減価償却する必要があります。仮にマンションとアパートが同じ購入価格だったとした場合、法定耐用年数の短いアパートの方が一度に経費計上できる減価償却費が多くなり、節税につながりやすいというわけです。

 参照:耐久性や減価償却の期間にも関係する建物構造の違いとは?

 このように実質利回りを見ると、木造アパートの有利な点が目立ちます。もちろん、実際の不動産経営では利回りだけでなく、空室リスクや資産価値の増減、老朽化による維持管理費の増減など、様々な条件を考慮しなければなりません。特に、耐用年数、長期的に見た建物の資産価値、耐震性等においては、構造躯体が頑丈なマンションの方が有利と一般的に考えられており、それが融資の受けやすさ、返済期間の長さなどマンション経営の利点につながります。

実際の耐用年数は物件次第

 ただし、このような耐用年数、頑丈さへの理解も最近は変わってきました。建築方法の進化によって木造アパートの耐用年数が長くなり、マンション並みに融資の返済期間を長くできる事例なども増えてきています。

 シノケンが提供するアパートは、すべて自社で設計・施工されたもの。全ての土地に対して必ず第三者の地盤調査会社による調査を実施し、その地盤の性質にあった適切な対策工事を行います。さらに、強固な土地の底面全体に鉄筋コンクリートを打ち込む「ベタ基礎」構造により、高い耐震性を保ちます。

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最終更新日:2021.12.23

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