アパート経営のノウハウ

新築物件と中古物件、それぞれの強みと弱みは?

2021.12.16

 アパートを借りるとき「新築にしたい」という人もいれば、「中古で十分」という人もいます。不動産経営において、新築物件と中古物件にはどのような違いがあるのでしょうか? さまざまな視点から、それぞれの強みと弱みを考えてみます。

新築アパートの強みと弱み

 はじめに、新築物件と中古物件、それぞれの定義を確認しておきましょう。法律上「新築」と言って良いのは、建築後一年未満で、まだ誰も入居したことのない物件のみと決められています。たとえば、建築から一年未満でも既に居住者が入退去した部屋、入居歴がひとりもいなくても建築から一年以上経過した部屋は、「新築」として募集することができません。逆に上記条件に合っていれば、既に建っている物件も「新築」ということになります。

 まずは、新築アパートの強みから考えていきましょう。第一に、賃貸物件市場における新築ニーズの高さが挙げられます。新しくて綺麗な部屋に住みたいという要望は、多くの人に共通しています。多少家賃が高くても、あるいは部屋が狭くても、中古より新築の方がいいと考える人が一定数存在します。特に、日本人は新築を好む傾向が強いと言われています。

 さらに、ゼロベースからアパート経営を始める場合は、賃貸需要の高い地域の土地を選べること、地域の需要に適性化した建物を選択することが、大きなメリットとなります。賃貸物件には、人気のエリアや条件があり、間取りや設備にも地域ごとのニーズやトレンドがあります。収益性を左右する土地や建物をオーナーが自由に決められるのは、新築物件ならではの強みです。

 一方で、弱みは不動産購入価格、初期投資費用が高くなりがちなこと。エリアや建物の仕様にもよりますが、近い条件の中古物件に比べて、新築アパートの購入費用は高くなることが多いでしょう。また、登記なども新規で申請する必要があるためコストがかさみます。新築物件を選ぶ際のデメリットと言えます。

中古アパートの強みと弱み

 中古物件では、取得費用の安さが最大の強みとなります。既存の物件を購入するため、建物の設計や設備を検討する必要のない簡便さもメリットと言えるでしょう。土地や建物を自由に選べない弱みはありますが、見方を変えると既に実績があることは強みにもなります。収益性の高い物件を探し、選択するとこができます。ただし、賃貸ニーズは変化するため、経年とともに間取りや設備がニーズと合わなくなる=空室リスクが高まる可能性も忘れてはいけません。

 また、購入費用が安いため、利回りが高くなるケースもあります。表面利回りは「年間家賃収入 ÷ 物件購入価格 × 100」で決まるためです。ただし、これには注意したい点も……。中古物件は築年数が経っている場合、維持費や修繕費に多額の費用がかかり、実質利回り=(年間家賃収入-諸経費)÷(物件購入価格+諸経費)× 100では低くなってしまうことがあるからです。とはいえ、古くなった設備や共用部をメンテナンスせずに放っておけば、物件の人気が衰え空室が増えてしまうでしょう。物件の魅力を維持するためには、経年に見合った維持管理が必須です。

 参照:資産価値を高めるために。知っておきたい「表面利回り」と「実質利回り」の違い

    税金から維持費まで、アパート経営にかかるコストを解説

新築は安定的な収益を得やすい

 さらにもうひとつ、金融機関から受ける融資の点でも新築と中古では違いがあります。一般的に新築は、金融機関からの信用が高いため融資審査が通りやすく、返済期間も長めに設定できることが多くなっています。中古でも融資は受けられますが、投資物件の築年数によっては返済期間を短く設定されることがあります。このことは、収支管理に影響するため確認しておきましょう。

 返済期間が短いと月々の返済額が多くなり、支出がかさみます。すると同じ家賃収入があっても一定期間あたりの利益が減ることになります。逆に、返済期間を長くすることができれば、毎月の支出額が減り、利益を増やすことができます。最終的には短い期間で融資を返済し終えた方が支払う利息は少なくて済みますが、より安定的な利益を得たい場合には、返済期間の長い新築の方が有利です。

 新築物件と中古物件、それぞれの強みと弱みをまとめてみましょう。

■新築アパートの強み
・新築へのニーズが高く、入居が決まりやすい。
・ニーズの高い土地、建物をオーナー自身で選ぶことができる。
・金融機関からの融資を受けやすく、返済期間を長くできる。

■新築アパートの弱み
・購入価格、初期投資額が高くなりやすい。

■中古アパートの強み
・同条件なら新築よりも低い価格で手に入る(初期投資額が抑えられる)。
・建物の設計などを考える手間がかからない。
・実績で物件を選べる。

■中古アパートの弱み
・建物の修繕など、維持管理に大きなコストがかかる可能性がある。
・市場からのニーズに合っていない場合、空室につながりやすい。

 このように新築、中古それぞれに強みと弱みがあります。ただ不動産経営を計画的、戦略的に行うなら、土地選定や建物設計の自由度が高く、収支管理しやすい新築が有利と言えそうです。

 ただ、前述のようにアパートを新築するためには、土地選びや建築など専門的な知見が求められます。ハードルが高い……と思われるかもしれませんが、シノケンなら不動産投資ビギナーの方でも安心。賃貸ニーズの高い土地選定、建物の設計に豊富なノウハウを持ち合わせており、お客様のアパート経営をフルサポートいたします。物件取得後の管理業務、入居者募集までワンストップで提供。土地を持っていない、自己資金が少ない、という方も気軽にご相談ください。

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最終更新日:2021.12.16

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