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「人生100年時代」への備えとしての投資

2021.10.21

 現代は「人生100年時代」と言われるようになりました。平均寿命が延伸し、将来的に100歳まで生きることが想定される中で、従来とは異なるライフプラン、国の施策が必要になったことを表す言葉です。人々の貯蓄や投資に対する意識にも少しずつ変化が生じています。今回は、人生100年時代の将来設計について考えます。

人生100年時代を想定した政策がスタート

 2020年現在、日本人の平均寿命は女性が87.74歳、男性が81.64歳となり、いずれも過去最高となりました(厚生労働省調べ)。ある海外の研究では、2007年に日本で生まれた子供の半数が107歳より長く生きると推計されているそうです。

 こうした中で、国は2017年から「人生100年時代構想会議」を開催。「人生100年時代を見据えた経済社会システムを創り上げるための政策のグランドデザイン」を検討する会議として設置され、2017年12月に「人生100年時代構想会議 中間報告」が、2018年6月に「人づくり革命 基本構想」がまとめられています。

 構想の中では「幼児教育の無償化」「待機児童問題の解消」といった全世代にわたる社会保障の拡充とともに、「リカレント教育」「高齢者雇用の促進」といった、老後を充実させる施策が盛り込まれました。「リカレント教育」とは、学校を卒業して社会に出た後も、それぞれのタイミングで学び直し、仕事で求められる能力を磨き続けていくこと。「高齢者雇用の促進」は、少子高齢化社会における労働人口の減少と、高齢者の経済的自立という課題を同時に解決す得る施策として注目されています。こうした構想の一部は、助成金などの形で既に実施されつつあります。

有形資産と無形資産の双方を築くことが大切

 もともと「人生100年時代」という表現は、イギリスの組織論学者であるリンダ・グラットンさんが作った著作「ライフシフト」の中で使った言葉でした。彼女は著作の中で、これまでの社会では「学ぶ」「働く」「引退する」という3つのステージで構成されていましたが、これからは人生の中で何度もステージを移行する「マルチステージ」の時代となることを説きました。また、そうした人生を生き抜くためには、老後の生活資金である「有形資産」と、スキルや人間関係、健康といった「無形資産」の両方が必要であり、双方のバランスを取ることが重要ともいいます。リンダ・グラットンさんは「人生100年時代構想会議」の構成メンバーでもあり、前述の政策に彼女のアイデアが活かされています。

 高齢者になっても働くことができる環境は、老後の「有形資産」を形成するのに有効でしょう。しかし、いくら健康であったとしても体力、能力には限界があり、さすがに100歳まで働くことは難しいでしょう。やはり、貯蓄や資産運用が重要になることは間違いありません。

金融商品の収益性に期待する気運が高まる

 そうした中で今年1月、金融広報中央委員会(※)から興味深い調査結果が発表されました。二人以上世帯のうち「運用目的で預貯金を保有している」と答えた世帯は83.9%。その世帯を対象に「金融商品を選択する際に重視することは何か?」という調査を行った結果、「収益性」を最も重視するとの回答が前年の16.0%から19.2%とへと大きく上昇しました。一方で「安全性」を重視するとの回答は 34.6%で、前年比低下。単身世帯を対象とした調査でも同様の傾向が見られます。

※日本銀行情報サービス局内に事務局を置き、日銀理事、関係省庁局長が参与しながら中立・公正な立場で金融に関する情報を提供する広報機関。
参考:
金融広報中央委員会 「家計の金融行動に関する世論調査(2020年)」
https://www.shiruporuto.jp/public/data/survey/yoron/pdf/point2020.pdf

 これは高い利回りや、将来の値上がりを見極めた投資が期待されていることを示しており、世間一般が「人生100年時代」の長い老後を意識し始めているのかもしれません。

 もうひとつ、より現実的なデータもあります。総務省統計局による「家計調査年報(2020)」によると、「65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の家計収支」は実収入が256,660円であるのに対して、支出額は255,550円。僅か1,110円しか余らない計算です。実収入のうち85.7%は社会保障給付(年金)が占めていますが、社会保障制度は将来的に財源確保が難しくなる、と懸念されています。長い老後をより安心して暮らすためには、貯蓄額を少しでも増やし、高齢になってからも収入が得られる……資産運用を前提としたマネープランが求められます。

老後のマネープランを支えるアパート経営

 アパート経営は長期的に安定的な収益確保を目指せる不動産投資のひとつです。一般的に株式などの金融投資に比べて変動要因が少ないと言われており、そうした特性は老後に向けた資産形成にも適しています。単なる資金運用ではなく、 “不動産”という価値ある資産が手に入る安心感は絶大です。立地選定や空き室対策がポイントとなりますが、その点もアパート経営に精通したシノケンに任せておけば大丈夫。不動産経営が初めて、自己資金が少ない、という方も安心してアパート経営を始めることができます。

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最終更新日:2021.10.21

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