資産運用

FIRE(経済的自立と早期退職)に向いている投資手法は?

2021.07.15

 「FIRE」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?「経済的自立と早期退職」を意味する造語であり、新たなライフスタイルです。アパート経営など不動産投資とも無縁ではありません。今記事では最近メディアで話題になっている「FIRE」とは何か? その考え方や実現するための方法、不動産投資との関係について解説します。

働かずに生活費を得る新たなライフスタイル

 FIREは、「Financial Independence Retire Early」の頭文字を取ったものです。「Financial Independence」は経済的自立、「Retire Early」は早期退職と訳されますが、つまりは若い年齢で経済的自立を果たし、一般的な定年年齢を前に仕事を辞めることを指します。ここで言う経済的自立とは、働かなくても生活するのに十分な収入がある状態のこと。収入は、投資などで不労所得を得るとされています。

 FIREのアイデアは1990年代にアメリカで生まれ、2010年代に入ってから実践者のブログなどによって一気に広まりました。今では世界的な流行語になっています。早期退職も、投資による不労所得も従来からあったものですが、何が新しいのでしょうか? FIREには特徴的なメソッドがいくつかあります。

 そのひとつが、「早期に、年間生活費25年分の資産を貯蓄すること」です。え、25年分も? と多くの方は驚くでしょう。あるいは、何歳でリタイアするかによって貯蓄すべき金額は変わるのでは? と疑問に思うかもしれません。FIREでは、年齢にかかわらず、最低25年分の生活費を貯蓄できた時点でリタイアしてOK、としています。その理由は、次に説明する4%ルールと密接に関わっています。

 4%ルールとは、「一年間に取り崩して良い金額は資産全体の4%まで」とするFIRE独自の基準。資産は生活費25年分なので、年間4%ずつ消費しても25年間は貯蓄だけで生活できることになります。しかし、リタイアしてから26年目以降はどうしたら良いのでしょう? そこで必要になるのが資産運用です。もしも貯蓄した資産を株式や債券、投資などで実質利率4%以上に増やすことができれば、資産を一切目減りさせることなく維持できる……というのがFIREの基本的な考え方です。

不動産投資との相性も良い

 理に適った実戦的なメソッドのように思えるFIREですが、お察しの通り、実現するのはそうたやすいことではありません。ひとつ目のハードルは25年分の生活費に相当する金額の貯蓄です、実践者の多くは、生活をシンプルにし、生活費を切り詰めながら貯蓄率を高くする方法をとっています。アメリカでFIREを広めた。あるカリスマ的なFIRE実践者は共働きで年間生活費を約270万円に抑え、30歳で約9000万円を貯蓄、早期退職したそうです。若者を中心に広まったミニマルなライフスタイルとの親和性が高いことは、FIREが注目される理由のひとつでしょう。

 資産形成後の運用による利回り4%という目標は、リスクとのバランスを考慮した現実的な数字と言えるかもしれません。投資や債権、仮想通貨などの商品を複数組み合わせ、安定したリターンを目指すのが一般的。実際には物価上昇率も加味して利回りを考えなければなりませんが、アメリカと違い、日本の物価上昇率は低めです。

 4%の利回りを達成できるなら金融商品に限る必要はありません。不動産投資を行う、または金融投資と不動産投資を組み合わせるのも、ひとつのアイデアです。不動産投資にもREITのような投資信託商品も含めて様々な種類がありますが、アパートやマンション、ビルなど賃貸物件を経営する場合は家賃相場の変動が少なく、長期にわたって安定した収益を確保しやすいのがメリットです。レバレッジ(他人資本を使うことで自己資本に対する利益率を高めること)を使って、より大きなリターンを狙うこともできます。貯蓄を資本として安定的な収益確保を狙うFIREとの相性も良さそうです。

 不動産投資に対するデメリットは空き室リスクや流動性の低さですが、そうした心配は専門の会社とタッグを組むことで解消できます。アパート経営のスペシャリスト、シノケンには土地、建物、不動産登記、入居募集など各分野に精通したスタッフが多数在籍。初めての方でも安心してアパート経営を始められます。

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最終更新日:2021.07.15

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