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人気設備ランキングからみる好まれるアパートの条件

2021.04.01

 全国賃貸住宅新聞は毎年「人気設備ランキング」※1を発表しています。これは不動産賃貸会社372社にアンケートし、賃貸住宅の最新設備ニーズを探る企画です。アンケートは「単身者向け物件」「ファミリー向け物件」に大別され、それぞれ「この設備がなければ入居が決まらない」「この設備があれば周辺相場より家賃が高くても決まる」設備を調査し、4パターンのランキング形式で発表されます。全46種類の設備を対象に行われたアンケート、2020年の動向を確認しておきましょう。

必須設備のトップは「室内洗濯機置き場」

 まずは「この設備がなければ入居が決まらない」設備のランキングから見ていきましょう。トップは「単身者向け物件」「ファミリー向け物件」ともに、「室内洗濯機置き場」でした。「単身者向け物件」では2位以下に「TVモニター付きインターフォン」「インターネット無料」が続きます。「ファミリー向け物件」の2位は「独立洗面台」、3位は「追い炊き機能」。ちなみに上位8〜9位は「単身者向け物件」「ファミリー向け物件」とも、前回の順位から全く変動がありませんでした。

 動きがあったのは9〜15位以下のランキングです。順位を上げた設備は単身者向け、ファミリー向けで異なります。「単身者向け物件」では、「ガスコンロ(二口・三口)」「浴室換気乾燥機」「システムキッチン」「防犯カメラ」などの順位が若干上昇。おうち時間が増えたことによる影響を受けてかキッチン周りの設備が順位を上げました。一方「ファミリー向け物件」では、「備え付け照明」「宅配ボックス」「浴室換気乾燥機」「ウォークインクローゼット」などがランキングを伸ばしています。

 このランキングからは、「入居者自身が後から導入することの難しい設備」ほど順位が高く、また設備のハイグレード化が求められていることも分かります。


「家賃が高くても決める」では、ファミリー向け物件で宅配ボックスがランクアップ

 次に「この設備があれば周辺相場より家賃が高くても決まる」設備ランキングを見てみると、「単身者向け物件」では1位「インターネット無料」、2位「エントランスのオートロック」、3位「宅配ボックス」……の順となっており、こちらも上位の順位は昨年から全く変化がありません。8位以下では「システムキッチン」「TVモニター付きインターフォン」「エレベータ」が順位を上げました。一方で前回、8位に入っていた「ガレージ」や「ウォークインクローゼット」は12位以下に大きくダウン。単身者向け物件において快適性へのニーズは高まっているものの、必要以上の設備は要らない……ということの表れかもしれません。

 4パターンの中で唯一、上位の順位にも大きな変化があったのは「ファミリー向け物件」の「この設備があれば周辺相場より家賃が高くても決まる」ランキングです。「宅配ボックス」が昨年の6位から大きく順位を上げ、2位にランクインしました。これは店舗での買い物を控え、ネット通販を利用する人が増えた影響かもしれません。「宅配ボックス」の人気は年々高まっており、この傾向は今後も続きそうです。一方で「追い炊き機能」や「ホームセキュリティ」などは多少順位を下げていますが、これは人気が下がったわけではなく、他の設備が順位を上げた相対的な影響によるものでしょう。

 両方のランキングで順位が2つ以上、上がった設備項目は合計13個ありました。「宅配ボックス」以外で注目したいのは、「TVモニター付きインターフォン」や「防犯カメラ」など「防犯性」に関する設備の人気が高まっていることです。防犯性の高さは物件の訴求力を高める要素であり、今や必須の設備でもあるといえるのかもしれません。こうしたニーズは今年になって急速に伸びたわけではなく、継続的に人気が上がってきたものです。


ニーズを読み取るアパート経営を

 アパート経営を始めるにあたって、懸念されることのひとつは空室リスクでしょう。こうした調査結果をもとに入居希望者のニーズを把握し、時流に合った設備をもつ物件を用意することができれば、リスクを軽減できる可能性があります。アパート経営のパイオニアであるシノケンでは、入居者の方にアンケートを実施し、ニーズの変化も捉えながら物件の企画に反映しています。アパート経営を検討されている方は、まずは相談してみてはいかがでしょうか。

※1 出典:週刊 全国賃貸住宅新聞 2020年10月19日号 No.1433

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最終更新日:2021.04.01

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