不動産の価値を測定する査定方法の収益還元法とは?

2021.03.11

収益還元法という言葉を聞いたことがある方も多いかもしれません。アパートやマンションなど賃貸用不動産の価値を評価する、つまり投資用不動産の売買や、その融資を受けるにあたって欠かせない計算方法です。収益還元法の計算方法は、直接還元法とDCF法の2種類が存在します。専門的な内容に思えるかもしれませんが、計算方法はさほど難しくありません。今回は収益還元法の基本的知識やそれぞれの計算方法を解説します。


収益還元法とは?

不動産には、二つとして同じ価値の物が存在しません。たとえ敷地や建物の形状が同じであっても、建てる場所によって地価は変わり、収益性や建設費、維持管理費等の経費が変わってくるからです。

そのため不動産の価値を求めるときには、個々の物件ごとに計算する必要があります。その金額算出方法には、「その建物をもう一度建てたらいくらかかるのか」をもとに評価する「原価法」や、似ている条件の不動産の取引事例を参考にする「取引事例比較法」などがありますが、投資用物件において最もよく用いられるのが「収益還元法」です。

収益還元法はその名の通り、収益性つまり家賃収入をベースに不動産の価値を求める点に特徴があります。建物を建てるのにいくらかかったのかを問題としないところが、投資用物件向きの計算方法とされる理由です。

収益還元法で求められた金額を元に、不動産の売却価格を設定したり、購入金額が妥当であるかを判断したりすることができます。また、購入にあたって銀行から融資を受ける際に、いくら借りるべきか、あるいは実質的な自己資本がどれだけ必要になるのかを算出することもできます。

収益還元法には、「直接還元法」と「DCF法」の2種類の計算方法があります。


■直接還元法

直接還元法とは、1年間の純利益を還元利回りで割った金額から、不動産の評価額を求める計算方法です。DCF法に比べて計算方法が単純であることから、不動産会社の多くはこの方法を採用しています。計算は以下の通りです。

・不動産価格=1年間の純利益÷還元利回り

1年間の純利益は、家賃収入総額から管理費などの経費を引いたものです。家賃総額を正確に把握するためには、不動産管理会社のレントロール(家賃表)で確認するとよいかもしれません。経費については管理費や修繕費のほか、固定資産税などの税金、販管費などがあります。一般的に家賃総額の20〜30%が経費の目安とされますが、築年数の古い物件ほど高く、新しい物件ほど低くなる傾向があります。

還元利回りとは、予想される投資の利回り率のことで、キャップレートとも呼ばれています。予想のもととなるのは、周辺の取引事例や、現在売り出されている物件の利回りなど。周辺の取引事例については、国土交通省「土地総合情報システム(https://www.land.mlit.go.jp/webland/)」で確認することもできます。直接還元法では、この還元利回りの予想の正確さが、精度に大きく影響します。

具体的な例を挙げて計算してみましょう。仮に1年間の収益が500万円、経費が60万円、還元利回りが4%の物件で計算すると、(500万円−100万円)÷4%=1億円となります。当該物件には1億円の価値があるだろう、と想定できます。

不動産の利回り率は、年間純利益を不動産取得価格で割った数値で求められますが、この直接還元法はそれを逆算したものになります。


■DCF法

「DCF」とはディスカントキャッシュフロー」の略です。不動産の評価だけでなく、企業の価値算定などに幅広く使われる計算方法になります。

直接還元法では想定しきれない家賃の下落率や空室リスク、さらには金銭の時間的価値の変動まで織り込み、より綿密に計算するのが特徴です。不動産を長期保有する場合や、固有のリスクがある場合、不動産価値の変動が大きい物件などでこの計算方法が用いられる傾向にあります。

DCF法の計算方法は、下記の通りです。

・不動産価格=一定期間で得られる純利益を現在価値に置き換えた金額+将来の不動産売却価格を現在価値に置き換えた金額

経年とともに家賃が下落したり、維持費が高くなったりして収益率が下がることを想定することはもちろん、変動リスクを反映したり、「今すぐに手に入る100万円と、数年後に手に入るだろう100万円は価値が異なる」ことを前提とし、そうした価値の減衰を反映するなどして金額を求めます。実際の計算は複雑なため、専用の計算ソフトなどを活用するとよいでしょう。


アパート経営を有利に進めるために


収益還元法の計算方法を覚えると、不動産物件の購入価格が妥当かを判断したり、売却価格を設定したり、銀行から融資を受けたりするのに役立ちます。ただ、ご自分だけで不動産物件の価値を正確に評価することは難しく、実際には専門家の知識が必要になるでしょう。アパート経営のパイオニアであるシノケンは信頼できる専門家と提携しているので、初めての方でも安心してアパート経営を始められます。まずは相談してみてはいかがでしょうか。

 

Editor:
最終更新日:2021.03.11

おすすめ記事