
税金が発生する場合も!? 市街化区域・市街化調整区域の違いとは
「この税金はどんな意味? 押さえておきたい不動産投資に関わる税金の種類」の記事で、不動産投資を始めると発生する税金について説明しましたが、その中で都市計画税の項目に「市街化区域」という言葉が登場しました。この市街化区域とは不動産選びの際に重要になるキーワードなのですが、実際どのようなものを指すのか分からない人もいるはず。また、市街化区域と対になる「市街化調整区域」というものもあり、より複雑に感じる人も多いことでしょう。そこで本記事では、市街化区域と市街化調整区域の違いや、都市計画税との関わりなど基礎的な知識について紹介します。
「市街化区域」と「市街化調整区域」、どちらでもない「非線引き区域」
市街化区域と市街化調整区域とは、都市計画法*1に基づいて指定される「都市計画区域*2」内で定められた区域のことです。それぞれの特徴を見ていきましょう。
*1 都市計画法:国土交通省によって制定された法律で、「都市計画の内容及びその決定手続、都市計画制限、都市計画事業その他都市計画に関し必要な事項を定めることにより、都市の健全な発展と秩序ある整備を図り、もつて国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄与すること」(「都市計画法」第一章 総則 第一条より引用)を目的としている。
▼市街化区域の特徴
市街化区域とは?
「おおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を進める区域」のことを指します。少しかみ砕いて説明すると、インフラ整備を整えて積極的に市街地を作り、多くの人々が暮らしやすい環境を形成するということです。東京23区はそのほとんどが市街化区域に指定されていることから、“市街地”のイメージがつきやすいのではないでしょうか。「土地活用の幅を拡げる「第一種住居地域」と「第二種住居地域」の違いとは?」の記事で紹介した2つは、この市街化区域の中で細分化された地域になります。
都市計画税との関わり
「不動産特有の税金「固定資産税」「都市計画税」ってなに?」の記事で紹介した都市計画税は、この市街化区域に属している不動産(土地・建物)にかかる税金のことで、都市計画事業や区画整理事業などの費用に充てられます。市街化区域に属していない不動産を所有している人には課されません。
市街化区域を調べる方法
市街化区域の区別は都道府県ごとに設定・管理されています。そのため、自分の所有する不動産・これから購入予定の不動産が市街化区域に属しているかどうかを調べる場合は、各自治体の市役所・区役所に設置された都市計画課に行き、住所を伝えて調べてもらいましょう。最近では、インターネットで用地を示したツールなども提供されてるため、知識のある方はそちらで調べてみてもいいかもしれません。
▼市街化調整区域の特徴
市街化調整区域とは?
「市街化を抑制する区域で、人が居住するための街づくりを行わない区域」のことを指します。大きな目的としては「森林や農地を保守する」ことで、原則として建物の建設は禁止とされています。もし建物を建てたい場合は、都道府県(各自治体)に申請を出し、条件が満たされた場合のみ建設が可能になります。また、市街化調整区域に元々ある家屋のリノベーションやリフォームといった増改築を行う場合にも許可が必要になり、規模が制限される場合もあることを意識しておきましょう。近年話題に挙がる「空き家問題」もそのほとんどが市街化調整区域に属しており、こうした制約によって引き取り手がつかないことが要因の一つとなっています。
都市計画税との関わり
森林や農地を守ることを目的に整備・管理されている市街化調整区域の不動産には都市計画税が発生しません。また、森林や農地はインフラが整備されていなかったり、先述のような許可・申請のフローを踏まないと建設ができないことから、土地の評価額が低く、固定資産税が安いというメリットがあります。ただ、こうした土地は農地以外の転用が難しいため、売却先が狭まってしまうというデメリットもあるのです。
市街化調整区域を調べる方法
市街化区域と同様に、市街化調整区域の区別は都道府県ごとに設定・管理されているため、同じ方法で調べることが可能です。
▼非線引き区域の特徴
都市計画区域のなかで、市街化区域・市街化調整区域のいずれにも属さない区域のことを「非線引き区域」といいます。法律上では「区域区分が定められていない都市計画区域」と呼ばれ、建設をはじめとする土地活用の規制が比較的緩やかに設定されているという特徴があります。とはいえ、市街化区域・市街化調整区域と同様に都道府県が管理しているため、地域ごとに差異があることを認識しておきましょう。
不動産投資は土地選びから
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