アパート経営のノウハウ

不動産投資でよく耳にする「レバレッジ効果」ってなに?

2020.12.24

不動産投資を始めようとさまざまなサイトや資料を見ると、ところどころに「レバレッジ効果」という文字を目にしますよね。体験談などにも「レバレッジ効果を活用して大きく収益を増やすことができた」などの記載があることが多いと思います。

では、不動産投資に大きな影響をもたらす、このレバレッジ効果とはどういうものなのか。また、年間の収益や将来性を考えたときにどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。本記事では、不動産投資の規模を大きくするために重要なレバレッジ効果の基礎を解説します。 

不動産投資特有の「レバレッジ効果」とは

レバレッジ効果

レバレッジ効果とは「てこの原理」のことで、小さい力で大きな効果をもたらすという意味合いがあります。不動産投資においては、借入金を活用して少ない自己資金で資産価値の高い不動産を購入し、収益性を高めることで投資効率の良い賃貸経営を行うことを指します。

自己資金が少なくても大丈夫? 今さら聞けないアパート経営のメリット・デメリット」の記事でも紹介したように、不動産はインフレリスクには強いですが経年劣化は避けられないため、購入の段階から将来を見据えた資産価値の高い物件を検討する必要があります。その際、自己資金の範囲内で不動産を選ぶと、悪立地であったり、設備や外観が時流にそぐわなかったりするため選択肢が限られてしまいます。

そうした場合にこのレバレッジ効果を活用して融資を受ければ、少ない自己資金でも資産価値の高い不動産を所購入することができるのです。ではレバレッジを活用した場合とそうでない場合ではどのくらいの差があるのか。下記を参考に、違いを見ていきましょう。

自己資金を2,000万円保有しており、利回りがどちらも同じ10%のA物件とB物件があったとします。A物件の価格は自己資金だけで購入できる2,000万円、一方B物件の価格は、自己資金だけでは購入できない5,000万円です。

一見すると2,000万円の物件の方が自己資金だけで完結でき、借金を作らずに済むため魅力的に見えますが、ここにレバレッジを活用すると……

同じ利回りでも年間収益には150万円もの差がついている

この図でも分かるように、レバレッジありのB物件の方が同じ利回りでも150万円も多く利益を上げることができています。自己資金が回収できるであろう10年目には、A物件は自己資金分のみ、B物件はレバレッジ返済分を差し引き、1,500万円もの収益を手元に残すことができるのです*1

*1 あくまで概算であり、現実の収益とは異なる場合があります。

逆レバレッジ

先述のように、メリットが大きいレバレッジ効果ですが、2点ほど注意しなければならないことがあります。それは「逆レバレッジ」効果です。その名の通り、レバレッジが逆効果になり、本来得られはずの収益がレバレッジなしと同じ、もしくは低くなってしまう現象のことです。

そのパターンは大きく分けて、
①利回りが下がった場合
②金利が上昇した場合

の2つで、計算すると次のようになります。

レバレッジありでも年間収益が変わらない
レバレッジなしの方が、50万円分 年間収益が多い

上記はあくまで例であり、通常ここまで大幅に利回りが下がったり、金利が上昇したりすることはありません。ですが、万が一利回り低下や金利上昇リスクなどの逆レバレッジ効果が発生してしまうと、収益を得ることが難しくなり、金融機関へのローンの返済が滞ってしまったり、逆に赤字になってしまった部分を貯蓄で補ったり、他の収入源を確保したりしなくてはなりません。それを防ぐためにも、購入する不動産の表面利回り・実質利回りはどのくらいなのか、好立地で人気のエリアにあるかなど物件選びは慎重に行うことはもちろん、金融の動向をしっかりと注視することが重要です。

超低金利の今が不動産投資のはじめどき

2016年に日銀がマイナス金利政策を導入して以来、住宅ローンの金利は低金利で推移しています。「感染拡大でも投資意欲は高め!? 事業用不動産投資の今とこれから」の記事でもご紹介したように、新型コロナウイルス感染拡大による不動産への影響は大きくなく、今後もこの低金利が続くことが予想されています。不動産投資を始めてみたい人、資産運用をして老後の備えを蓄えたい人は、低金利の今が不動産投資を始めるチャンスかもしれません。アパート経営のパイオニアであるシノケンで、まずは相談から始めてみてはいかがでしょうか。

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最終更新日:2020.12.24

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