資産運用

不動産管理・運営を一任!
押さえておきたい「PM・BM・FM」の違い

2020.05.14

不動産投資をはじめ、不動産やその他施設の管理・運営は一人で行うことはできません。小規模な不動産であればある程度賄うことはできるかもしれませんが、やはり限度があるもの。そこで必要となるのがPM・BM・FMという不動産の管理・運営をマネジメントする業務です。しかし、英単語の略称や名前を聞いたことがあっても明確に違いが分かる人は少ないのではないでしょうか。今回はそんなPM・BM・FMの違いを解説します。

PM・BM・FMの違い

前述の通り、不動産管理・運営にはPM・BM・FMという経営を支える業務が必要不可欠です。それぞれの業務内容・範囲の違いを見ていきましょう。

プロパティマネジメント(Property Management、PM)

不動産オーナーや個人投資家に代わり、投資用不動産における収益の最大化や維持管理コストの削減を目的として運営・管理を行う業務のことを指します。主な業務としては、賃料・共益費などの請求・回収、リフォームや改修など工事計画の立案、クレーム対応や経理、事務作業といったバックオフィス業務、テナント誘致のための営業活動などがあります。以前の記事で紹介した「アセットマネジメント(AM)」と協力して経営を行うこともあり、AMが不動産の管理・運営をPMに委託し、PMはAMが立てた経営戦略に沿って収益の最大化を目指します。

ビルディングマネジメント(Building Management、BM)

建物自体の管理に関する業務のことを指し、「ビルメンテナンス(Building Maintenance)」と呼ばれる場合もあります。主な業務としては、建物の保守・保全や衛生管理、清掃業務、消防・防災設備の点検、警備業務など、建物の資産価値の維持が目的です。業者によってはPMやAMが行う業務の一部を担い、総合的なマネジメントをする場合もありますが、大枠の意味としては「資産価値を維持するためのメンテナンス業務」と覚えておくとよいで しょう。

ファシリティマネジメント(Facility Management、FM)

公共財団法人日本ファシリティマネジメント協会の定款では「企業・団体等が保有又は使用する全施設資産及びそれらの利用環境を経営戦略的視点から総合的かつ統括的に企画、管理、活用する経営活動」とされており、端的にいうと「保有資産を長期的な視点をもって管理・運用し、より効果的な収益資産へと最適化する経営業務」のことを指します。FMは、PMやBMと違い、不動産単体だけでなく、周辺環境や時流などを総合的に判断し、企画・管理・運営できるマネジメント能力が求められます。主な業務としては、使われていない不動産のリノベーションやリフォーム提案(シェアオフィス化や民泊用物件)、収益性向上のための設備導入・更新などが挙げられます。

先ほどPMの部分で紹介したAMとの違いですが、AMもFMも「計画を立て、収益向上のために資産を最適化する」ことが大きな役割ではあります。両者の明確な違いは、AMは不動産のみならず株式や金融商品など幅広い資産を扱うことに対し、FMは不動産(施設)の企画・管理・運用に専門特化していることです。

このように、同じ「マネジメント」が付く業務でも明確な役割があります。中にはこれらの業務を包括的に行う業者(PM、AM、BMのみ)もあるようですが、“基本的”な業務内容として上記を押さえておくとよいでしょう。

信頼できる管理・運営業者を選び、安心の不動産投資を

PMは“人”に対するマネジメント(ソフト面)、BMは“建物”に関するマネジメント(ハード面)、そしてFMは“保有資産全体”に対するマネジメントが主たる業務。役割は違えど、目的は「資産価値を低下させないための不動産管理・運営」です。不動産投資をしていく上でこれらの業務は欠かせないため、信頼できる管理・運営業者を選びたいですね。
 

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最終更新日:2020.05.14

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