資産運用

一口一万円から資産運用が可能に? 注目を浴びる「不動産投資型クラウドファンディング」

2020.03.05

近年よく耳にするようになったクラウドファンディング。2011年に国内で初めてサービス提供が開始された「READYFOR」を筆頭に、TSUTAYAや蔦屋書店などを展開するCCCグループのクラウドファンディング「GREEN FUNDING」、サイバーエージェントの子会社が運営する「Makuake」など、さまざまなクラウドファンディングサイト・サービスが進出しています。

その中でも、注目を浴びているのが不動産投資型クラウドファンディングです。クラウドファンディングは、大きく分けて投資型と非投資型に分けることができ、今回取り上げるのは名前の通り投資型に属します。しかし、そもそもクラウドファンディングについてあまり詳しくないという方も多いはず。そこで本記事ではクラウドファンディングの基本を解説し、不動産投資型クラウドファンディングの特徴やサービスについて紹介していきます。

ふるさと納税も? そもそもクラウドファンディングとは?

クラウドファンディングとは、群衆を意味する「Crowd」と資金調達を意味する「Funding」を組み合わせた造語で、起案者が叶えたい夢やプロジェクトをインターネットに発信し、その想いに共感した支援者から実現のための資金を募ることを指します。

前述の通り、クラウドファンディングは大きく投資型と非投資型に分けることができ、一般的にイメージしやすいのが、プロジェクトが目標金額を達成するとリターンとして製品やサービスを受けられる購入型や、リターンがなく社会貢献性が高い寄付型といった非投資型の支援形態でしょう。また、近年何かと話題に挙がる「ふるさと納税」も非投資型のクラウドファンディングとして分類されます。

一方、投資型のクラウドファンディングには、お金を借りたい会社とお金を貸したい個人投資家をインターネット上でマッチングするソーシャルレンディングとも呼ばれる貸付型や、企業が起案者となって、個人投資家向けに非公開株を提供する代わりに資金を募る株式型、同じく企業が起案者となり、特定事業に対して個人投資家から資金を募るファンド型があります。この投資型を不動産に特化させたものが不動産投資型クラウドファンディングです。

注目集まる不動産投資型クラウドファンディングとは?

不動産投資型クラウドファンディングは、事業者が個人投資家から資金を募り、その資金を元手に不動産を取得し、運用。キャピタルゲインやインカムゲインなどの売買差益から管理費や経費を差し引いた収益が投資家のもとに分配されるという仕組みです。では、具体的にどのようなサービスが展開されているのでしょうか? 代表的なサービスを紹介します。

CREAL

不動産投資に必要な情報を明確(CLEAR)にした、本物(REAL)の不動産投資クラウドファンディングサービスです。投資物件の立地や周辺環境、利回りや投資のポイントなど、詳細な物件の情報を開示しています。また、一口一万円という少額投資が可能で、投資した物件の賃貸収入は毎月配当される特徴があります。

FANTAS funding

近年課題とされている空き家問題に着目し、空き家再生プロジェクトをメインに事業を展開。「社会貢献をしながら、低リスクの投資が可能になる」と注目を集めるサービスです。キャピタル重視やインカム重視といった目的に応じた投資商品が豊富なことも魅力的です。

Crowd Realty

国内では、ワークスペースの創出や飲食店用不動産の賃借・内装工事、京町家の再生。国外ではエストニア不動産担保ローンへの投資など、国内外問わず幅広いプロジェクトが展開されている不動産テックの一つです。一棟の不動産で完結するのではなく、その一棟から新たな街づくりが促進されるような広い視野を持ち、長いビジョンを描いた不動産投資をできることが特徴と言えるでしょう。

このように、不動産投資型クラウドファンディングはその目的や対象などに大きな違いがあります。始める場合はそれぞれを比較し、ご自身に最も適したサービスを選択することが望ましいでしょう。ちなみに、不動産投資信託であるREITと混同される場合もありますが、少額投資が可能な点や価格変動がない点、投資対象となる不動産を選択できる点など、さまざまな違いがあるので事前に確認しておきましょう。

進化し続けるクラウドファンディング

今回ご紹介したサービスは市場のほんの一部です。本年7月から始まる東京2020オリンピック・パラリンピックの開催によって、少なからず不動産業への影響が出ることが予想される中、より時代のニーズに適したサービスが登場することも容易に考えられます。これからますます広がりそうな不動産投資型クラウドファンディング。今後の不動産・不動産テック業界の動向から目が離せません。

 

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最終更新日:2020.03.05

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