
大手が続々解禁! サラリーマンの副業選び、知っておきたい三原則
2018年1月、サラリーマンの働き方が大きく変わる出来事が起こりました。厚生労働省が「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を発表したこと、いわゆる「副業・兼業の解禁」です。
それまで厚生労働省の「モデル就業規則」で示されていた「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」という規定が削除され、代わりに「労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる」と明記されました。
「副業・兼業の解禁」の動きに先駆け、ソフトバンクは2017年11月に副業を解禁。リクルート、Yahoo! JAPAN、新生銀行、エイチ・アイ・エス(HIS)、アメブロで有名なサイバーエージェントなど、大手企業や新興企業を中心に副業・兼業解禁の動きは広がり続けています。
しかし、副業や兼業が解禁されたからといって、別途そのための時間が増えるわけではありません。サラリーマンが限られた時間と予算の中で、堅実に稼げる副業とは何でしょうか?
時間が自由で手離れが良く儲かる仕事を
工事現場の交通誘導員や引越しスタッフ、コンビニアルバイトなどの副業は、働いた分だけ確実に収入を得られます。しかし時間的・肉体的拘束による負担が大きく、忙しいサラリーマンが副業にするには難しい仕事と言えます。サラリーマンが副業や兼業を始める前に押さえておきたい、原則を知っておきましょう。
1)時間調整がしやすい
予定外の残業、急な出張、接待なども多いサラリーマンにとって、時間の調整をしにくい副業・兼業を続けるのは非現実的です。時間の融通が利く副業・兼業を選ぶのが原則になります。
2)手間がかからない
ただでさえ考えることが多く、判断を迫られることも多いサラリーマン。本業に加え、副業・兼業でも都度、判断しなければならないことが多い手間のかかる仕事は、心身にとって大きな負担となりミスを誘発します。効率を上げ、結果を出すためにも判断の機会が少ない、手間のかからない、シンプルに取り組める仕事を選ぶことが大切です。
3)収益性が高い
確実に稼げたとしても、雀の涙ほどの副収入しか手に入らないのでは意味がありません。生活を助けるもの、さらには将来の安心に繋がるような収益性がなければ継続も難しくなります。負担と収益性のバランスを考えつつ、より収益性の高い副業・兼業であるか確認してください。
サラリーマンに向くのは内職? せどり? アフィリエイト?
現在はインターネットの発達もあり、様々な副業・兼業が可能となりましたが、サラリーマンの副業・兼業として適切な仕事は何でしょうか? 前項の「三原則」を元に検証してみましょう。
・内職
シール貼りや箱の組み立て、袋詰めなど、自宅でできる副業・兼業として長い歴史をもつ内職。基本的に成果報酬型で、指定された通りに作業できた分は確実な収入になる一方、単価が数円〜数百円程度のものがほとんどで、将来の保障となるほどの収益を目指すのは難しいようです。
・せどり
古本屋で購入した古本をインターネットオークションで売るなど、格安の物を購入し、より高く売れる場所で売って差益を稼ぐ方法です。高く売れる商品を見つけられれば収益性は高められますが、それを見つけ続けるリサーチ力と購入判断、実際に買いに行く手間と資金が必要になります。
・アフィリエイト
ホームページやブログで商品やサービスなどを紹介して紹介料を得るビジネスです。初期費用0円で月に数十万円、数百万円といったの高い収益を目指すことができるものの、プロとして活動している人も多く、初心者が稼げるようになるまでには大変な時間と労力を要すると言われます。実際、特定非営利活動法人 アフィリエイトマーケティング協会が2018年6月に発表した「アフィリエイト・プログラムに関する意識調査 2018」では、過半数、52.8%の人のアフィリエイト収入は月1万円未満と、なかなか収益性を高めるのが難しい現実もあるようです。

(出典:特定非営利活動法人 アフィリエイトマーケティング協会
『アフィリエイト・プログラムに関する意識調査 2018年』プレスリリースより作成)
・クラウドソーシング
例えばWebデザイナーの場合、所属する会社を通さずに企業や個人からホームページ制作などを受注するなど、マッチングサイトを介して自分の能力を必要とする人に提供することで収入を得ることができます。受注する案件によっては、必ずしもその道のプロである必要はありません。本業への相乗効果も望めますが、収益はかけた時間に比例する労働集約型になることが多いため、負担が増えがちです。
・アンケートモニター/ポイントサイト
アンケートに答える、指定の広告を閲覧するなどで、街中での使用や現金化も可能なポイントを得られます。通勤や隙間時間を活用して稼ぐことができ、大きな手間も不要な一方、これだけで生活できるほどの収入を得るのはほぼ不可能です。
大きな収入を目指すには、お金に働いてもらう
副業・兼業で稼ぐために睡眠時間を削って、本業や健康に影響を及ぼしたら本末転倒ですし、その収入があまりにも少ないようでも、いざという時の準備にはなりません。サラリーマンが少ない時間と手間で、大きな収入を目指すには「お金に働いてもらう」ことが大事です。
例えば「株式投資」、「FX」、「アパート経営(不動産投資)」などは限られた時間や資金しかなくても、レバレッジをかけて大きな収益を狙うことができます。ただし、株式投資やFXはレバレッジをかけ過ぎると、損失のリスクも同じだけ大きくなるので注意が必要です。また、世界的に大きな事件、事故等があると、就業時間中に株価や為替が大きく動くことがありますが、副業・兼業解禁とはいえ就業時間中にトレードをすると問題となる可能性も。こうした場合のリスクマネジメントができるかどうかも、考えなければなりません。

アパート経営も、空室リスクや建物自体の魅力を考慮しないと「かぼちゃの馬車」のように破綻してしまう恐れもゼロではありません。しかし収入や属性に見合った計画や借入を心掛け、堅実な経営をしていれば、安定した収入を目指すことが可能です。一度事業計画を練り、物件を購入してしまえばその後の作業は少ないので、病気や失業等、いざという時の保障にもなりやすいと言えるでしょう。
忙しいサラリーマンにとっては、割ける時間や手間、資金などをきちんと精査してから始めることが、副業・兼業を継続し、成功させるコツです。さらにリスクを最小限に抑えるという意味で、信頼のおけるその道のプロに相談すると良いでしょう。