空洞化が深刻な地方都市中心部へ人を呼び戻すため、国土交通省は「街なか居住再生ファンド(基金)」を6月に立ち上げることを決めた。市町村が定める地域に50戸程度の賃貸マンションを建てる場合、総事業費の3割を上限に出資する。基金は05年度に総額25億円でスタートし、5年後をめどに300億円まで増やす計画だ。出資方式の住宅供給は、戦後の住宅政策で初めて。
基金は、「全国市街地再開発協会」(国交省の外郭団体)に設置。不動産や金融の実務経験者で構成する運営委員会が出資の可否を審査する。基金からの出資分はいったん信託銀行に預けたうえで、賃貸マンション建設のために作られた特別目的会社(SPC)に出資する仕組みをとる。
出資対象は5〜10階建てで総戸数30〜50戸、総事業費10億円程度の中規模マンションを想定している。事業費の1〜2割程、1物件につき約1億〜2億円の出資が中心になる見通し。賃料収入などで国は年利4〜5%の配当を受け取る見込みで、5年後には出資持ち分を投資家に売却する。
すでに地方では、家賃や住宅建設費を補助して中心部への居住推進を図る自治体が増えている。金沢大学の大半の施設と石川県庁が郊外に移転した金沢市は、中心部にマンションを建設する場合に1戸につき100万円を助成する制度を導入。
今回の基金は、こうした自治体の制度と異なり資金の回収を前提にしている。
ただ、入居が進まなかったり、地価下落などで資産価値が目減りしたりした場合、損失が生じるおそれもある。
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